わいはまいね 能面三昧

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黒式尉 その4

2011年10月03日 | 日記・エッセイ・コラム

黒式尉の彫り込みもいよいよ最終段階になった。仕上げ彫りまで行ったと言うことで完成ではない。完成まではまだまだ時間がかかるのだ。

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上は顔のひだひだや皺などを彫ったところだ。まあ、見本の写真とは若干違ってきたが、参考資料を見る限りでは、いろいろな作り方があるので、「これしかない」と言うこともない様子である。作者や時代により、同じ黒式尉でもたくさんの種類があった。従って、見本として紹介した面に似せているものの、同じ形にする必要はない・・・と言う結論に達したところ。

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あごの部分を切り取って、歯を入れたところ。歯も2本ではなく上側全部が入っている面もあるし、下から生えている面もあった。黒式尉でもとにかくたくさんの種類があって、どれを参考にして良いのか分からないぐらい。結局はそれらを見ながら、自分なりに彫っていくのも正解のようだ。ということで、私の場合は上の写真のようにした。

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彩色に入る。下地は肌色にした。その色にしたのは、たまたま前に作った「獅子口」に使った色が余っていたから。白でもかまわないし直接黒式尉の色でも良いと思う。で、上の写真は上塗りの段階。2回目を塗ったところだが、恐らくそのままの色で完成すると思う。

見本の写真とはだいぶ色合いが違っている。もっと濃い色にならなければならない気もしたが、なんと言っても真っ白の胡粉に絵の具で色を作っていることから、どうしても薄くなってしまうようだ。もともと群青色(あるいは藍色)だけなら濃い色が再現されると思う。がその色を胡粉の真っ白で薄めてしまった感じになっているので、せっかくの色が出てこないのだろう。

このやり方では濃い色を出せないから、それはそれでやむを得ないと思うし、この色によく似た黒式尉もあった。だから、自分の黒式尉はこれで良いことにしよう。まあ、気合いを入れて色を作ればもっと良くなりそうだが、自己満足の世界だから適当で良いのだ。今後の作業は、これに付ける眉毛、鼻ひげ、あごのひげを作って植え込む事になる。これらはまだ先の話だから、今回はこれでおしまい。



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