わいはまいね 能面三昧

写真付きで趣味の能面製作を紹介するブログ

能面 乙(おと)

2008年05月06日 | 日記・エッセイ・コラム

Blog208 前に書いたとおり、今年度の能面教室は4月から始まっている。お題は「おと」だから、それを作る作業に入っていた。

これは作業を始めてから2日目ぐらいだったかな。顔の輪郭と、目や口を鉛筆で書き込んでいるところ。四角い材料を「のこ」で切り込んで輪郭を作り、さらに丸みを帯びるようにノミで削っていくとそれらしくなる。更に顔の表面部分を丸のみで仕上げるのだ。

鼻の部分はまだ切り込みを入れたままなので、何だか変であるがしょうがない。初期の段階でこのぐらいになれば、あとは鉛筆で書いた線に沿って慎重に彫り進んでいくことになる。

Blog209 目の部分や鼻の形、口元などを考えながら彫ってみたところ。いきなり深く彫ってしまうと修正が効かなくなるから、本に載っている作業途中の写真や以前に作っていた「乙」を見比べながらじわじわと深くしていくことになる。

何となく福々しい表情が見えてきた感じがすると思うが、このあたりの形をきちんと決めておかなければ後々に影響が出て、かわいらしい顔にはならないのだ。特に目が難しい。本当に楽しく笑っている目は、目が細くて目尻が上がっている。その様子を感じながら彫り込むのだから、余計に慎重にならざるを得ない。

前に作った2個は、いずれも楽しい目をしている。で、それらも含め3個を眺めると、なんと同じ表情になっている。これは、作っている人の感情や思いが表情に表れるらしい。だから、「おと」に限らず、面の顔つきが作っている人に似てくると言う話をよくする。

Blog210この表情が私に似ているわけではないが、性格が出るとなれば、私の心はこんな感じなのだろう。これは彫りだして4日目位の時。ちょうど5月2日あたりの作業である。ここまで来ればだいぶ形が見えてきて、作業をするにも楽しい時期であるが、気を許すと失敗に繋がるから慎重に進めることになる。

この面で特に難しいのは、目である。これが笑っているから細い。しかも、曲線だから、三角刀で切り込んでいくときに無理をすればまぶた部分が欠けてしまう。一気に切り込みを入れるのではなく、最初はその形に刃先を当てるという感じで、じわりじわりと深くしているのがコツである。

が、要領は分かっていても、何と言っても手作業だし、一瞬の油断が「あっ」となって目が欠けてしまうことになるのはもう経験済みのこと。そのために本来の高さより幾分寸法を高めにして作業を進める。そうすることで少し欠けてもその部分を削り直しが出来ると言うことだ。

さて、連休も終わり、遊びに来ていた孫連中も帰ったことから、また暇なときがやってくる。次の教室は21日だから、その頃には更に進んで、もしかすると出来上がっているかも知れない。完成予定が7月だから、あまりに早く作業が進めば、これはこれでまた大変なのである。


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