市ヶ谷本村町の隣が四谷坂町です。「御府内備考」によると、同町には二本の下水が流れていました。うち、「巾五尺余 右町内坂下町屋中程往還ニ有之尤横切大下水ニて桜川と唱」は、目下さかのぼっている大下水のことで、桜川の名称については該当個所で詳細します。もう一本は町の東境を流れ、この大下水に合流しているものです。「下水 巾三尺程 右町内東側地境稲垣対馬守様御屋舗ニ有之水上は市ヶ谷七軒町通横切下水より右下水え流込夫より裏通地境ヲ通町内坂下桜川え流落申候」 市ヶ谷七軒町は明治に入り四谷七軒町と改称、また、稲垣対馬守は志摩鳥羽藩三万石稲垣家で、現在はどちらも本塩町の一部です。
- ・ 昭文社の地図ソフト"Super Mapple Digital"で作成、縮尺は1/6000です。青点線が実地調査及び当時の地図、空中写真などで確認できる水路跡で、そのポイントを地図に記入した番号順にウォーク＆ウォッチしてみました。（一部推定によっているところもあります。）
- 1. 合流地点の水路は失われており、この路地から始めます。突き当りを右折です。
- 2. 坂町と本塩町の境を南に向かいます。左手台上には「稲垣対馬守様御屋舗」がありました。
- 3. 引き続き崖面下のクネッた路地を南に向かいます。
- 4. 坂を上った突き当りで終了のようですが、やや右手の狭い路地に連続します。
- 5. 路地は通り抜けできませんが、元はワンブロック先が起点でした。なお、この左手が元の市ヶ谷七軒町です。