とうげいの茶屋

Sunao Koizumi  
小泉すなお

はなのすきなうし

2008-12-31 | その他
気がつけばもう大晦日・・
年賀状はどうにか終わり、ここへきてやっと年末年始気分を味わえるように。

以前、干支の「うし」を作るにあたっていろいろ考えていたら
ふと子供の頃読んだ「はなのすきなうし」という絵本を思い出した。


スペインの牧場に暮らすフェルジナンドは、子供の頃から
ひとり静かに花の匂いを回でいるのが好きな穏やかな牛。
周りの牛が強い闘牛の牛に憧れ、勝つため戦いの練習をする中
フェルジナンドだけが、のんびり座って花と戯れる毎日。

ところが、ひょんな事で荒々しい牛と勘違いされ
彼はマドリードの闘牛場に大抜擢されるのだが・・というお話。

思い出して気になってしまい、本屋で探し買い求めた。

闘牛場の女性達が付けていた花の匂いで、まるっきり戦わなかった
フェルジナンドだったので、
当時の印象は「花の匂いを嗅いでばかりの面白い牛」だったのだが
今読めば「あなたはあなた、皆と同じでなくともかまわない」という
自分らしさを問う話だった。

大人になって数十年ぶりにまた会えた絵本を、今違った意味を持って
読めた事に、静かな興奮と喜びを感じた。


来年はもうちょっと、マメに更新出来たらいいなあと思いつつ・・
それではよいお年をお迎え下さい。