ブログ

日々のあれこれ
 

「もう、忘れたの」 酒井順子

2018-11-20 | 読書

クリックで拡大

どうにもこうにも読む本がなくなって、読んでない本もたくさんあるけど今は読みたくないし、公民館で三冊借りてきた一冊。

2011年5月からの一年間、週刊現代に連載した40本のエッセィをまとめたもの。時事的な話題が多いので、当時の世相も分かるし、酒井さんらしい辛辣な見方もあり、面白く読めました。

出先から帰るとき、新幹線に乗るとあとは家に帰るばかりとホッとする。ってわかる気がする。乗り慣れたシートに身を沈めていると、あの時、この時の旅のいろいろが思い出されて、自分を取り戻す、という感覚。私の場合。

車内も変わっているはずだけど、この変わらない感覚がくつろぎを生み出す。もう田舎のおばあちゃんちとも縁が薄くなった私達世代、新幹線に乗ると喚起されるものがある。

酒井さんは何もそこまでは言ってない。それは遠い昔の、新幹線開業時を知っている世代の感覚。


温泉旅館へ行くとする。食事会場で黙っているカップルなら夫婦もの、やたらベタベタして、女性がはしゃいでいたら不倫関係との観察、面白かった。

私事で恐縮ですが、以前ヨーロッパツアーで、夫婦4組、一人旅は私を含めて3人、女は私だけというたいそう静かな経験をしました。大型バスがガラ空きだと、並んで座ることもしないのが夫婦。あれは、なかなかにいい旅行でした。

それにしても不倫旅行の場合は宿泊費奮発して朝夕部屋食、露天風呂もついてるプランを奮発してもらいたいもの。その予定はないけど、私ならケチな男だなあと思うはず。それとも見られた方が盛り上がるのかしら。やったことないので、わかりませんが。


結婚している最近の若い男性は、家事も嫌がらずにするそうで。子育ても同じ。高校生になった娘の下着も洗い、畳み、片づける。娘も嫌がらない。そういうのは知っていたけど、だって、息子たち見てたらそうだろうなあと思うから。

私達の世代は共学で男の子とも対等にものを言い合って来たけれど、まだまだ専業主婦も多く、家事は家にいるものがするというルールがあった。だから多少の違和感もあるけれど、男が家事をする延長上に、親の介護、その肝の排せつの世話もあるわけで、なるほど、息子が家事をするのは悪いことではないと思いなおした。

私自身のことを振り返れば、息子のお嫁ちゃんに違和感持つのも間違い。二人の間のルールで家の中が回っているのであれば、姑の私が間然するところはない。


九州男児考では、外で威張らせてもらってはいるけれど、家の中は奥さんがしっかりと管理して、その手のひらで転がされているという見方も面白かった。

博多の山笠などは男性性をもろに出したお祭り、女性は下手間ばかりで参加させてもらえない、と思っていましたが、男女がそれでうまくいくのが九州の文化かもしれません。

東京で知り合った女性と結婚して破たんした事例が挙げられていましたが、これは四国にも当てはまるかも。私の狭い見聞からですが、まだまだ男も立てられてなんぼの社会。東京で知り合ったお嫁さんと結局別れた事例を、身近に複数知っています。

長い休みは旅行したい、と実家へ帰って盆正月の行事を夫婦でしたいという文化の衝突。この場合、大切なのは夫婦の絆、伝統や家はその次。はき違えてはいけませんと、離婚した子供の親たちに言いたい。って余計なお世話ですが。


蔦屋書店はおしゃれとほめてありますが、私は疲れるばかり。本なら本だけをたくさん、系統立ててわかりやすく並べていればそれでよし。と思うのはわたしがもうこの歳だからで。

おしゃれな雑貨、もういらない。愛着のあるもの、思い出のあるものもどうやって減らせばいいかと思案する毎日。本を買いに行って、あらいいわねとほかのもの買うはずもなく。

こうやって人は世間のトレンドからずれていくんですね。しみじみと実感。

総じて、軽く読めるけれど、それによって喚起される思いがあり、こうして感想まで書けてコスパのいい読書でした。


コメント   この記事についてブログを書く
« 丸大根を描く | トップ | 元安川、川べりの道 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読書」カテゴリの最新記事