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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

ボランティア活動(2回シリーズ)その2

2014年08月08日 00時00分01秒 | 提言

 概要がお分かりいただいたところで、ではどのくらいの利用実績があるのかは、季節による変動や、統計方法で変わるが、40名強のボランティアに対し、200名前後の利用者がいるが、申請目的の違いによって、利用件数は推計に過ぎないが、年間1000件といったところであろうか。社協には、車いすごと運べる福祉車両が1台整備されているが、稼働率とすれば福祉車両が、300件に対しボランティアが提供する自家用車が650~700件である。

 自家用車の登録件数は30台弱であり、常時稼働可能なボランティア数は、30名を切り、20名位である。しかし、川崎市全区を俯瞰してみれば、多摩地区が断トツの実績であり、活動実績も高い。その理由は、駐車料や車両の賠償保険料等のメンテナンス費用がボランティアの個人負担によることで、社協の負担割合が皆無ないしは低いことにもよる。

 すなわち移送・送迎に関する労務提供のボランティアではなく、自車を活動に提供し、自車の管理料については一切社協側の負担がないという画期的なシステムであるからに他ならない。この事業にかかわる事務ボランティア職員については、ボランティア団体である組織から派遣され、業務を委託されているような体裁を持つが、実際は、区の臨時職員として、配車の手配を行っているにすぎず、業務を担当している部署が手当を支給している。つまりボランティア組織で賃金を支払っているわけではない。

 広報については、知る人ぞ知るで、積極的な広報は行われていないため、住民に周知できていない。大々的に広報することの限界は、ボランティアに頼る業務の曖昧さからきているため、利用者が増えていくことへの限界が見えるからであろうか。

 いずれの形態をとろうとも、ボランティア組織が介在することによって、本来であれば、公的機関が市民に対するサービスとして行うべき活動であるにもかかわらず、有志であるボランティア活動を利用して、福祉行政の活動実績にする行政の手法は見過ごすことはできない。つまりボランティア依存体質からの脱皮が望まれていることである。

 社協の存在は矛盾に満ちており、任意団体であるにもかかわらず、場合によっては変幻自在な組織運営に対し、とらえどころのない組織に利用されている実態は、健全な社会福祉業務を担うにふさわしいものであるかどうかの地域住民の判断を必要としている。サービスの提供が、単なる依存体質であることの認識から脱皮されるよう、関係者の再考を期待したい。(このシリーズ最終回です)