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技術と技能の意味(5回シリーズその5)

2013年02月14日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 このことは、企業別の採用が当たり前の我が国では、職種が同じでも企業によって職務内容や範囲が異なる状況を生んでおり、業界が作るガイドラインを参考にしても、A社基準、B社基準が生まれ、統一基準にはなり得ない複線化を産む原因となっている。

 世界標準や、グローバリゼーションが叫ばれている昨今である。どのような展開をするのか興味深いことであるが、果たして日本流がどこまで世界を席巻するのか、我が国があわせていかなければならないのか、技能と技術の問題だけでは片づけられない複雑な要素が存在している。

参考:
技能(skill)技能の語をめぐっては、様々な見解がある。しかし、細谷が示した「一般的にいえば技能とは諸種の技術を行使する能力を指すことになる。」という見方は妥当であろう。つまり、作業手順やマニュアル、機械の操作手順、各種のノウハウなど、与えられた条件に対して一定の方法を適用することで一定の結果が得られるような方法・手段の体系を技術と呼び、これを実際に行使する際に人間が発揮する能力を技能と呼んでいる。近年、技術と技能が接近しているいくつかの現象が指摘されている。例えば労働省職業能力開発局技能振興課編「これからの技能」で指摘されている、「技能の技術化」である。ここでは、人間が有している技能を言語化すること=技術への置き換えにより技術革新が進んできたこと、この結果、技術に対する理解の深い技能者が求められるようになってきていることを指摘している。また、機械に置き換えることができない、①柔軟な対応や高精度の製品作りに対応したり、②機械の性能を120%引き出したり、新技術を適用した物作りに対応する能力など高度な技能が求められるようになってきていると指摘している。これらの指摘は、手腕を使って物作りをする分野の技能だけでなく、技術の理解や生産への応用、開発、設計、計画、判断などの分野の技能が拡大してきていることを示している。ここで留意しなければならないのは、テキストやノウハウ書に示されている‘技術’を読んだだけではそれを行使することはできないということである。つまり、技能がいくら技術化・高度化したとしても、それを行使する人間が発揮する能力=技能が求められるということである。(職業能力開発用語集から転記)(このシリーズ最終回です)