ブログ「かわやん」

森羅万象気の向くままに。

友人Kさんの逮捕

2010年08月26日 11時33分42秒 | Weblog
 

 びっくりした。先週金曜日に大阪市立大学の西成区の聞き取りをいっしょにして別れたばかりの彼が二日後に兵庫県警公安三課により逮捕された。


容疑はなんと「免状不実記載」(免許証の住所記載と現住所が異なる)と、「賃貸契約に関しての有印私文書偽造」(いままでの契約書類に書いていた保証人の名前を、更新時に継続して書いてしまったことだけ)の容疑。それも9月1日までの拘留が決まり兵庫県警に留置されている。自由であるべき市民の行動の自由を奪い拘束し、その人の名誉を毀損したとんでもない権力犯罪でないのか。どうして彼が拘束されるのか、さっぱりわからない。


公安警察は公共の安全を守ることが使命で、その役目を否定するとなどない。しかし、彼がどんな公共の安全を犯すことをしたというのか。


 逮捕状を切る裁判所も裁判所だ。どうしてこうした書類上の問題で人間を拘束していいという判断を犯すのか。よくわからない。


私は今週西成区での聞き取りを彼と行うところであり、連絡してもまったく電話に出ないから「また携帯電話を忘れている」とだけ軽く見ていた。しかし、それどこではなかった。友人から彼の逮捕の報を聞いてたまげてしまった。


「逮捕! 彼が! なぜ?」
「いまの日本でこんなことが本当におきるのか」「いとも簡単に逮捕されるなら、私もいつどうなるかわからない」
「こんなこと、治安維持法下の戦前ならわかるが、21世紀のいま本当におきている」


と自問が続いた。


何よりも彼がくやしいだろう。接見した弁護士に聞くと飄々としていたようだが、なぜ逮捕されたか本人もわからないだろう。飄々とするはずだ。狐につつまれたようなことだからだ。身柄を拘束されるようなことが思い当たらないからだ。


彼は今後の生活設計から資格講習を受けていたから、これまでの講習経歴もパー。また不安な生活に突き落とされる。それにしても警察は逮捕して何を探ろうとしているのか。さっぱりわからない。


自宅にあった映像作品も押収された。どうしてこの文書違反行為で家宅捜索礼状が裁判所から下りるのかもよくわからない。「こんな微罪で家宅捜査はできまへんで」「身柄拘束ではなく口頭注意だけでいいのではないの」とは当番判事は言わないのか。いつもこういことが起きると司法の不信が沸々と生じてくる。


彼は昨年の大分・由布院映画祭でドキュメンタリー作品賞を受賞した。釜が崎での住民票問題を追った作品だ。さらに第2弾も今年中に完成させたいと言っていた。しかし、今回の逮捕は映像活動への何よりも圧迫になる。表現者が結果として萎縮することにもなりかねない。表現の自由にかかわる明らかな弾圧である。21世紀のいま、戦前とはあまり変わらない部分が底流に脈動している。
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