川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
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<大阪維新> 橋下徹氏は経済人・国政政治家の後援を確認してから出馬した/二重行政問題は大阪市を制御したい府目線

2019-02-27 16:29:02 | Weblog

2018-12-29
<大阪都構想> 松井一郎大阪府知事(日本維新の会代表)が2回目住民投票に関する維公合意書を記者会見で公表
2019-01-08
橋下徹氏と大阪維新の動き 安倍首相へのおねだり成果
2019-01-26
<大阪維新> 橋下徹府知事(当時)が大阪府庁の咲洲(湾岸埋立出島)全面移転にこだわったことで「この人はあかんわ」と思いました(1)
2019-01-28
<大阪維新> 橋下徹府知事(当時)が大阪府庁の咲洲(湾岸埋立出島)全面移転にこだわったことで「この人はあかんわ」と思いました(2)
2019-02-24
<大阪維新> 橋下徹府知事(当時)が大阪府庁の咲洲(湾岸埋立出島)全面移転にこだわったことで「この人はあかんわ」と思いました(3終)
2019-02-27
<大阪維新> 橋下徹氏は経済人・国政政治家の後援を確認してから出馬した/二重行政問題は大阪市を制御したい府目線
2019-03-09
橋下徹大阪府知事時代 二重行政改革、府市水道統合協議、WTC府庁移転に隠されている大阪市支配への意欲
2019-03-31
大阪では維新政治が安定しません / 都構想なしの太田房江府知事時代には府市連携協議が持たれていました
2019-04-02
<大阪維新> 橋下徹大阪府知事は二重行政改革の手始めに、前任太田知事の府市水道協議成果である「府水道予算800億円削減案」を見捨てた




2008(平成20)年1月17日、財界人が「橋下徹府知事選」勝手連結成

橋下徹氏は、2007(平成19)年12月12日に大阪府知事選初出馬を表明しました。7週間後の2008(平成20)年1月27日投開票の結果は、得票が183万票を超えました。得票2位が100万票、大勝利でした。

投票前の2008(平成20)年1月17日に、堺屋太一氏(2019.2.8.死去)、パソナグループ代表の南部靖之氏、元JR西日本社長の井手正敬氏らが勝手連を作って、橋下徹氏を支援しました。これで、橋下徹氏を経済界がバックアップしていることは明らかです。堺屋太一氏がこれら関西経済界の有力者を引きこんだのではないでしょうか。

南部靖之氏が創業したパソナの会長は竹中平蔵氏です。彼は現在、内閣府の国家戦略特区諮問会議民間議員を務め、安倍内閣の規制緩和政策を推進しています。政商と言ってもいい。

竹中氏は、小泉純一郎内閣で経済財政政策担当大臣、金融担当大臣として構造改革の推進役を果たしました。さらに、経済財政政策・郵政民営化担当大臣、総務大臣・郵政民営化大臣に就任して郵政民営化に当たりました。

パソナは政府の規制緩和政策が広がるごとに事業を拡大してきた企業グループです。そのパソナの会長竹中平蔵氏が安倍内閣の規制緩和政策の頂点にいます。外国人労働者の移入拡大策は、必ずパソナの利益につながっていきます。


府知事選初出馬前に自民党実力者・古賀誠氏に面会

橋下氏は阪府知事選初出馬表明の前に、自民党実力者であった古賀誠氏と面会しています。そうした結果でしょうか、大阪自民・大阪公明は橋下支持の立場を明らかにしました。

橋下徹氏は一匹狼から大阪府政に挑戦したような印象がありましたが、そうではなかった。橋下氏は関西経済界や自民党中央の実力者の支援を見極めた上で、大阪府知事選初出馬を決意しました。彼が関西電力に対して見せた反原発の姿勢が、一時的なパフォーマンスに終わっていることは当然の結果でしょう。

大阪府・大阪市 「水道事業」統合協議へ
読売新聞 2008年02月21日

 大阪市の平松邦夫市長は2月20日、大阪府と大阪市の水道事業統合に向けた正式協議を始める方針を明らかにした。2月13日に読売新聞大阪本社で行われた橋下徹知事との対談で、知事側から、二重行政解消のために信用保証協会、公営住宅事業とともに3事業の完全統合を提案され検討を進めていた。近く、両トップと担当者を交えた協議の場を設ける。

 大阪市の水道事業は146万世帯に給水、1日の生産能力は243万トン。同市を除く市町村に供給している府の生産能力は1日233万トン。しかし、供給量は府市合わせて約310万トンに過ぎず、効率化が課題だった。対談で、平松市長は即答を避けたが、「メリットは大きい」と判断した。

 水道水の原価は府の1トン81・81円に対し、市は67・55円。市側は、すでに府に「安い市の水を府域に拡大する広域化」を打診。平松市長は20日の記者会見で「市の考える方向なら統合は可能。前向きに進むと思う」と話した。橋下知事は、記者団に対し「公の場で議論を重ねたい」と述べた。


2007(H19).12.12. 大阪府知事選 橋下徹氏出馬表明
2008(H20). 1.17. 堺屋太一氏、南部靖之氏(パソナグループ代表)、井手正敬
          氏(元JR西日本社長)らが府知事選橋下応援の勝手連を
          立ち上げ 
2008(H20). 1.27. 大阪府知事選 投票日 橋下徹氏得票 1,832,857票
2008(H20). 2. 6.  橋下徹氏 大阪府知事就任、初登庁
2008(H20). 2.13. 読売新聞大阪本社で橋下徹大阪府知事と平松邦夫大阪
          市長が会談 / 橋下知事が、水道事業、信用保証協会、
          公営住宅の3事業について二重行政解消を提案
2008(H20). 2.20. 平松邦夫大阪市長 大阪府・市の水道事業統合課題で
          大阪府・大阪市協議を始める方針を表明


2008(H20).2.13.橋下徹府知事・平松邦夫大阪市長初会談から見えること

上の2008.2.21.読売新聞記事で注目したいのは3点です。
   橋下大阪府知事と平松大阪市長の会談が読売新聞大阪本社で行われ
    た、という会談の場所。
   二者会談の日付――知事就任8日目、知事選当選後17日目、経済人
    による勝手連立ち上げから28日目
   3事業(水道、信用保証協会、公営住宅)につき二重行政解消を申し
    入れたのは橋下府知事の側である。

新聞社が独占インタビュー記事を掲載することは珍しいことではありません。しかしその場合の会場設定はインタビュー相手の会社や役所で行われることが一般的です。また、インタビューには和んだ環境も有益なことから、飲食の場所が設定されることもあります。

大阪市は歴史ある大都市であり、府知事が当選直後の新人なので、新府知事が大阪市役所を訪ねて会談してもおかしくはない。一方「府」の方が「市」より上位の行政組織ですから、この点では大阪市長が府庁を訪ねて会談するのは自然なこと。さらに、この場合は橋下府知事と平松大阪市長の初めての二者会談ですから、役所外で飲食をしながら和やかに…というのもあり得ます。

ところが初の二者会談の場所は読売新聞大阪本社です。不自然です。会談のテーマが二重行政ですから、会談をもちかけたのが大阪府の側であることは明らかです。ですから、橋下徹知事(当時)をバックアップしている人脈の筋が設定した会談場所であると思われます。

2回目の橋下知事・平松大阪市長の会談は2008(H20).4.8.に、大阪市都島区にある大阪市公館で行われたと、2008.4.9.付読売新聞が伝えています。1回目の会談場所設定だけが特殊でした。

2008年2月、大阪府知事就任早々からすさまじい勢いとスピードで仕事に取り組んだ姿には頭が下がります。若くて形式ばらない庶民の出の新知事の奮闘ぶりを見て、大阪府民の人気はさらに上がりました。

しかし、知事スタート当初の彼がたった一人で奮闘しているのではなく、既存勢力である経済界や政界の中に後援者人脈があって、折々に橋下徹氏を助けたであろうと想像する方が確かなことです。

その橋下後援筋の黒子姿を垣間見ることができたのが、読売新聞社屋での橋下知事(当時)・平松大阪市長(当時)の初会談でした。橋下後援筋の誰かが橋下・平松の会談を取り持ち、後援筋の別の誰かが読売新聞社屋に会談場所を設定したのでしょう。

橋下・平松初会談は知事就任8日目のことです。この短い日にちでは、橋下徹氏が大阪府の組織を使って会談をセットすることは不可能だと思うのです。



2008(H20).2.13.府知事・大阪市長初会談から見える「二重行政問題」は 大阪府目線であるということ

橋下徹府知事(当時)が就任当初から二重行政という課題を大阪府民に提起して、わかりやすい姿でクローズアップして見せた才能と手腕は称賛に値します。二重行政で無駄が生じる課題があれば制度的に修正しましょう、という姿勢は良いことですね。

ここで二重行政とは、どことどこのことを言うのか? 大阪府と大阪市の競合関係を言います。

橋下徹氏は大阪府知事ですから、府知事の立場で、府知事に与えられた権力の範囲で、二重行政の課題に取り組みます。大阪府の立場から二重行政の課題を解決しようとします。

橋下徹氏の個性も影響します。これまで報じられてきた言動を思うに、彼は敵・味方を峻別します。そして勝つために全力を注ぎます。勝つために、敵と認定した相手を徹底的に叩きのめそうとします。彼は常に正しいのです。

橋下知事(当時)は大阪府のトップですから、足元の府側の二重行政解消策にも関与するでしょう。そうであっても、大阪府の仕事と大阪市の仕事が競合する事柄に気づくときは、大阪府の仕事をしていて大阪市の職掌分野が障害になるときです。

すなわち、二重行政の課題とは、「大阪府の目線で見る大阪市の不都合な点」として見えるということです。そういう観点も持ち合わせておかないと、二重行政の課題では橋下徹氏や大阪維新の姿を見誤ることになります。


――次回もこの話題のつづきです


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