川本ちょっとメモ

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憲法は「押しつけ憲法」などではありません。素晴らしい贈り物なのです。(赤松良子元文相)

2016-12-22 05:20:21 | Weblog


新憲法制定当時の国民は日本国憲法を歓迎した

新憲法制定当時の大多数の国民感情は、今の日本国憲法をいやがっていたのではありません。

私の母は、1945年8月15日の感想を「戦争が終わってほっとしてうれしかった」と言っていました(母から聞いた1945年の空襲体験と食料事情と敗戦の日の気持ち)。

また、敗戦後の京都市街でけんかや争いが絶えず、そんなとき「日本の警察は頼りのうて、MPが来たらピシャッとおさまる」と言っていました。MPは米軍の憲兵で、白いジープに白いヘルメット姿で2人が乗って走っていました。占領統治下ですから、日本警察より米軍憲兵の方が権力がありました。

それはおそらく昭和21年から23年ごろのことだったろうと思います。母は、敗戦まもない京都の治安が占領軍によって守られているという風に好感している口ぶりでした。

母から憲法のことを聞いたことはありません。そういう方面の知識はなかったはずです。けれども、戦争が終わったことを喜び、戦前戦中の日本よりも、日本国憲法下が始まったばかりの戦後日本の方が良いと、明らかに思っていました。

岩波現代文庫『戦争とたたかう――憲法学者・久田栄正のルソン戦体験』の略年譜、1946年(昭21)3月の項で、久田氏は「憲法改正案要綱(9条)を見て「とびあがるほどの喜び」と書いています岩波現代文庫のフィリピン敗戦体験記から その1

久田氏だけでなく、私が直接に話を聞いたことのある戦場体験を持つ元従軍将兵10人ほどの中で、憲法9条を否定した人はいません。


赤松良子元文相
2016.12.22.毎日新聞インタビュー記事「そこが聞きたい」の話し手は、赤松良子元文相(1929年生まれ、87歳)でした。テーマは女性の政界進出と社会進出、男女平等問題です。その中で憲法を歓迎して、こう言っています。

① 日本国憲法によって、女性に参政権が与えられ、教育の男女平等が実現し
 た。
② 日本国憲法があったから、今日の私がある。
③ 憲法14条と24条への思いはひとしおだ。
④ 押しつけ憲法というものではなく、すばらしい贈り物だ。

  ◇   ◇   ◇

<2016.12.22.毎日新聞記事から>

--敗戦を迎えた時、赤松さんは15歳。女性の地位はどう変わったのですか。

 終戦は女性を解放してくれました。参政権が与えられ、教育の男女平等も実現しました。
 
 私の母は家が貧しく、何度も養女に出され、小学校も出られませんでした。けれども日本国憲法があったから、今日の私があるのです。

 男女平等を定めた14条と24条への思いはひとしおです。
 
 もともと政府の憲法問題調査委員会がまとめた大日本帝国憲法改正案は非常に保守的で、女性の人権への意識も低かったために、連合国軍総司令部(GHQ)の草案が基になりました。

 24条の起草にかかわった米国人女性ベアテ・シロタ・ゴードンは、日本の女性が置かれた状況に悲憤を感じ、人権思想を踏まえて命がけで条文を書きました。これは「押しつけ」憲法などではありません。素晴らしい贈り物なのです。

◎あかまつ・りょうこ
 1929年生まれ。労働省婦人局長、ウルグアイ大使、文相を経て、日本ユニセフ協会会長。著書に「均等法をつくる」など。女性の政治参画を支援する全国ネットワーク「WINWIN」代表。


憲法第9条
① 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発
 動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段
 としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。
 国の交戦権は、これを認めない。

憲法第14条
① すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又
 は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
② 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
③ 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与
 は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有
 する。

憲法24条
① 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有すること
 を基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
② 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び華族に関
 するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立
 脚して、制定されなければならない。




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