今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、ここへ来て視聴率が低迷しているという話も聞くが、比較的取り上げられることの少ない時代のしかも北条氏を主人公にしていることもあり、個人的には楽しみに見ている。
視聴率の低迷は、新垣結衣や菅田将暉で盛り上がったものの、頼朝亡き後は、陰惨な話が多くなるのと相まった結果の様子。
確かに、毎回誰かが殺される・・・そんな8月28日放送の33回は二代目将軍頼家が殺されるものだったが・・・
むしろ、頼家よりもこれまで殺し屋として活躍していた下人の善児が殺されるシーンの方が話題になった様子。
善児は架空の人物で、元は伊東祐親の下人、その後梶原景時の配下につき、さらには北条義時に仕えたという設定。
その善児が義時の命を受け、頼家を修善寺に殺しに行くのだが、ひょんなことから一瞬のスキが生まれ、頼家に反撃されてしまう。
だが、このピンチを二代目の殺し屋として善児が育てたトウが救い、晴れて頼家の殺害は果たす・・・のだが、トウは重傷を負った善児を父母の仇として殺害してしまう。
なんとドラマのラストシーンは頼家ではなく下人善児の最期を俯瞰して写したものだった・・・この瞬間、三谷幸喜おそるべしと。
ドラマをご覧の方にはいまさらだが、かつて善児は修善寺で源範頼を殺害している。トウは範頼とその妻の間に生まれた子で、その時に孤児となったのを引き取ったという設定。
いわば、父母の仇に育てられたという形だが、その伏線がここで完結するというのもお見事だった。
そしてある指摘によれば、この回の表題「修善寺」は終善児だったのでは・・・と。むむむ、さすが三谷幸喜・・・と。
さらに言えば、善児を演じていた役者さん、わき役でいろんなところで見かけるが、梶原善さんという・・・梶原景時の下人のときは、梶原の善さんだったって・・・(汗)
この回のラストのトウとのやりとりも見事だったし、やはりいい役者さんである。大河は「秀吉」「平清盛」に続き、三作目というが、結果的に13人を食うレベルの存在感だ。
このドラマの効果で、いろんなお墓も注目されているという。頼家は記録によれば、入浴中に襲われ、〇玉を取られて、トドメを刺されたという。
さすがに、このドラマではそこまでエグイことにはならなかったが、結果的にはよかったかと・・・
で、頼家の墓を見に行く輩が善児の墓も探しに・・・さすがにそれはないかって・・・