医療裁判傍聴記

傍聴した観想など

千葉大学病院研修医 準強制わいせつ事件 第2回公判 学生に嫌われたくなかったから

2017-03-23 20:28:53 | 傍聴記
千葉大学病院元研修医(懲戒解雇)で準強制わいせつ罪に問われている藤坂悠司被告の第2回公判が802号法廷(高橋正幸裁判官)で開かれました。

検察官から証拠の追加があり、被害者の方の現在の心情を綴った書面が提出され読み上げられました。
それによりますと、被告人は学生らを束ねる指導者的立場で飲み会を主催したにもかかわらず、酒の席でみずから率先してふざけた行為をしたことにより山田、吉元被告らに姦淫行為を起こさせた責任の発端があると考えています。そして山田、吉元被告らの姦淫行為の事実を知ったうえで、本来だったら学生らの行き過ぎた行為を抑止し救うべき指導者的立場にあったにもかかわらず、面白がってわいせつな行為に及んだことは絶対に許せません。被告は謝罪の中でわいせつな事をしてしまったのは、山田、吉元被告ら学生に嫌わると困るので調子に乗ってやってしまったと弁解していますが真摯に反省をしているとは思えず、ただ自分の置かれた悪い状況に後悔しているようにしか思えません。現在は被告と示談や被害弁償に応じることは考えらません。

被告人弁護士から、被告人からの謝罪文として被害者の方には深く反省し、二度とこのような事はしないお詫び申し上げるという手紙の要旨が読み上げられ、つづけて被告のお父さんの上申書が「被害者やそのご家族には迷惑を掛けました。情状証人として出廷しなかったのは、父親として教育が間違っていました、息子には二度と同じような過ちを犯さないように重い罰を与えてください、そのうえで再教育していく所存です。」読み上げられました。

被告人質問になり藤坂被告は証言台に進みました。
まず被告が最初にトイレに入った状況のやり取りです。
被害者が倒れていた時に、医者でなくても介抱すると思うが助けなかったのはなぜ?
山田被告が服を脱がし始めて、時間的な余裕がなかった。予想もしない出来事で分からなくなった。
止めろと言えなかったのは?
山田被告らのやっているわいせつ行為に興味が出てきてしまった。
あなたは常識的行動が取れなかった、なにか人格的欠陥があるのではないか?
はい。普段からしっかりと考えて生活していなかった。何が正しくて何が悪いのか考えず曖昧に適当に生きてきてしまった。
勇気がなかったのか?
山田被告が服を脱がし始めて制止させる勇気がなかった。
被害者に配慮がないのでは?
自分勝手で相手の事を考えていない。
どうやって矯正するの?
他人がどう考えるか、考えて生活していくしかない。
優しい気持ちになるにはどうしたらよい?
自分が辛い経験をするしかない。
一回、自分を追い込まなければならないね?
はい、苦しまなければならない。
若いから更生の必要がある。しかし医師の資格は場合によっては取り消しになる。その場合にどうするか?
五年後に再受験する資格が出来るので、また医師になります。
その間は、医療の仕事が好きなので看護学校に行き看護師になる。
それで、きちんと生きる事が謝罪になりますね?
そう思います。

検察官の反対尋問
わいせつ行為は嫌われたくなかったからしたとありますが間違いない?
山田、吉元被告らと意に沿わないことになり、ありもしないことを言われるのが嫌だった。
ありもしないこととは?
嫌われたくない気持ち、分からない。
なぜ止めなかった?
本当は救出しようと思ったが、酔っていて煽られ興味が出てきてしまった、それで体に触ってしまって雰囲気に流されてしまった。
事件後に被害者に謝る勇気が出なかったのはなぜか?
謝っても許して貰えるとは思わなかったから、自分でどうしてよいのか分からなかった。

検察官の意見です
犯行態様は悪質です。被害者が酒によって抵抗出来ないのをよいことにわいせつ行為に及んでいます、指導者的立場にありながら吉元、山田らの姦淫行為があったにもかかわらず吉元、山田らに促されるまま犯行に及んでいます。被害者の処罰感情は峻烈で、被告人の行為は許すことが出来ないと示談も断っている状況です。厳しく処罰してほしいと願っています。求刑ですが被告人を懲役2年に処するとするのが相当と考えます。


つづいて被害者参加人として、被害者の方の弁護士からの意見です。
被告人の行為の悪質性について、被告が主催した飲み会は卑猥なものになり、これが事件の発端になってしまいました。吉元らが被害者に姦淫したにもかかわらず一緒になって面白がってわいせつ行為をしました。後から吉元らに嫌われたくないからわいせつ行為をしたと言っていますが、これは情状酌量の余地のない不合理な弁解で悪質です。被告人は逮捕されるまで謝罪をしていません。起訴後に被害者に2度謝罪文を送りましたが、本当に反省していないと考えています。上からものを言う態度で、自分の何が悪かったのかと問うなど謝罪の気持ちがあるとは思っていません。厳罰にしてください、実刑判決が相当と考えています。


弁護人の意見です。
被告人は被害者を抗拒不能にしていません。被告人はアルコールに弱く煽られ酩酊状態だった。被告人のわいせつ行為は計画性がなく、他に煽られ従属的な犯行であった。
被害者に謝罪文を送り示談金も用意しています。更生意欲として自分の性格的欠陥を反省し、克服の決意を持っています、二度と犯罪を犯さない決意をしています。
裁判所には適正な処分をお願います。

裁判官に促されて被告人が証言台に立ちました、反省しています、被害者や被害者の家族の夢を打ち砕く事になってしまいました。本当に申し訳ありませんでした。
人間的欠陥を認識しました、これからは何が正しいか考えて生活していき、今度は犯罪に立ち向かう人間になりたいと思っています。社会に貢献していきます。

次回が判決公判になります。
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