勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

日本のいちばん長い日

2015年08月09日 | 邦画
第二次大戦の終結に至るまでの、鈴木貫太郎内閣発足から、ポツダム宣言受諾決定の昭和天皇のご聖断、宮城事件までを描いた作品。

思ったよりも、上手く出来ています。

個人的に懸念していた本木雅弘の昭和天皇ですが、意外に良かったです。TV映像などで耳にする、独特のイントネーションも意識して取り組んだようですしね。本木本人の上品な感じが上手くマッチしたことと、昭和天皇が当時44歳、今の本木雅弘が49歳とほぼ同年代と言う事も、良かった要因ではないかと思います。

役所広司や山崎努などの実力派俳優も、その実力を十分に発揮しています。って言うか、年齢のことを言えば、鈴木貫太郎が77歳で山崎努が78歳、阿南惟幾が58歳で役所広司が59歳と、ほぼ同年代の俳優を配置したのが良かったんですかね。

それで気になったのが、阿南惟幾・鈴木貫太郎・昭和天皇と並ぶ重要人物・畑中健二を演じた松坂桃李。松坂桃李が演じた畑中健二は、陸軍少佐で軍事課員だったわけですが、当時33歳なんですよね。それを26歳の松坂桃李が演じるのは、ちょっと・・・。若すぎる。30歳くらいでいい俳優居なかったのかな。そこがちょっと残念なポイント。

その代わりと言ってはなんですが、同じ軍事課員の井田中佐が印象に残ったかな。陸軍省の玄関ホールで、阿南に決起を迫る鬼気迫った表情が物凄く印象的でした。狂気とは違うんですよね。決意というか、信念というか、純粋さと言うか、そう言う感じだなと思いました。

この作品での登場人物の描かれ方には、原作者の思いも入っているのではないかという気がしました。阿南はかなり好意的に描かれていると思いますが、神風特別攻撃隊の創始者として知られている軍令部次長の大西瀧治郎は全く逆。彼と遭遇した阿南が発する言葉に、原作者の半藤一利が大西瀧治郎をどう思っているのかが現れていたような気がしました。

それとこの作品を見て判ったのが、戦争は始めるよりも終わらすほうが遥かに難しいということ。近年も、アメリカがイラクで苦労していますしね。

英語のタイトルは『The Emperor in August』。なるほど。

タイトル 日本のいちばん長い日
日本公開年 2015年
製作年/製作国 2015年/日本
監督 原田眞人
原作 半藤一利
出演 役所広司(阿南惟幾/陸軍大臣)、本木雅弘(昭和天皇)、松坂桃李(畑中健二/陸軍少佐・陸軍省軍事課員)、堤真一(迫水久常/内閣書記官長)、山崎努(鈴木貫太郎/内閣総理大臣)、近童弐吉(東郷茂徳/外務大臣)、山路和弘(安井藤治/国務大臣、予備役陸軍中将)、鴨川てんし(左近司政三/国務大臣、予備役海軍中将)、久保酎吉(下村宏/情報局総裁)、矢島健一(木戸幸一/内大臣)、金内喜久夫(平沼騏一郎/枢密院議長)、池坊由紀(香淳皇后)、麿赤兒(藤田尚徳/侍従長)、茂山茂(入江相政/侍従)、大藏基誠(徳川義寛/侍従)、植本潤(三井安彌/侍従)、井之上隆志(梅津美治郎/参謀総長)、木場勝己(田中静壹/東部軍管区司令官)、奥田達士(高島辰彦/東部軍管区参謀長)、高橋耕次郎(森赳/近衛第一師団長)、中嶋しゅう(東條英機/陸軍大将・元内閣総理大臣)、吉澤健(岡田啓介/海軍大将・元内閣総理大臣)、山口幸晴(芳賀豊次郎/近衛歩兵第二連隊長)、田中美央(荒尾興功/陸軍大佐・陸軍省軍事課長)、大場泰正(井田正孝/陸軍中佐・陸軍省軍事課員)、関口晴雄(竹下正彦/陸軍中佐・陸軍省軍事課員、阿南惟幾の義弟)、田島俊弥(椎崎二郎/陸軍中佐・陸軍省軍事課員)、松山ケンイチ(佐々木武雄/横浜警備隊長)、中村育二(米内光政/海軍大臣)、井上肇(豊田副武/軍令部総長)、嵐芳三郎(大西瀧治郎/軍令部次長)、神野三鈴(阿南綾子/阿南惟幾の妻)、蓮佛美沙子(阿南喜美子/阿南惟幾の長女)、キムラ緑子(絹子/陸相官邸の女中)、西山知佐(鈴木たか/鈴木貫太郎の妻)、小松和重(鈴木一/首相秘書官、鈴木貫太郎の長男)、野間口徹(館野守男/NHK職員)、戸田恵梨香(保木令子/NHK職員)

出演者覧作成参考:Wikipedia

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