人生ブンダバー

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いささか旧聞 「池上彰の新聞ななめ読み」  周恩来とJ.レストン

2015-02-16 05:00:00 | Weblog

1月30日(金)、池上彰さんの(朝日新聞)「新聞ななめ読み」が再開され
た。池上彰さんの一ファンとしては喜ばしい。

池上さんは、私と同い年で大学の同窓でもあるので、昔から応援してい
るが、一方では忙しすぎないか、少し心配している。


今回のテーマは、「朝日新聞の失敗 問題先送り 日本企業の典型」で
ある。要旨は・・・・・・

○現場の記者たちの「朝日新聞を再生させる」という熱意と決意を感じ、
 読者の立場から紙面をチェックする役割を果たそうと考えた。
○朝日はなぜ長い間訂正しなかったのか。「朝日が反日だから」とは思わ
 ない。
○(池上氏は)朝日新聞は日本の大企業にありがちな「問題の先送り」を
 犯したと考えている。
○想起するのは、バブルがはじけた後の不良債権処理を先送りした失敗
 である。
○各金融機関の歴代トップは、「自分の在任中にさえ、問題が起きなけれ
 ばそれでいい」と先送りし続けた。
○強制連行否定の報道があったにもかかわらず、事実関係の検証を行わ
 なかったのも、同様な「先送り」である。

なるほど、そういう見方もあるのかもしれない。


しかし、・・・・・・はたしてそれだけが原因なのだろうか・・・・・・。

そもそも企業(大企業でもいい。)すべてに問題の先送り体質があるわけ
ではない。いまどき、問題の先送りなどしていては全然生き残れない。


朝日新聞は、中国の林彪(死亡)事件の際に、海外のマスコミは林彪が失
脚したのではないかと報道していた際、これを否定する憶測記事を報道し
続けていた。

強制連行の吉田証言自体があったのは事実としても、それを検証しないま
まに、どちらかというと(喜んで?)大々的に報道する姿勢にメスを入れなけ
ればいけないのではないだろうか。


一流のジャーナリストは思った疑問を率直に質問する。朝日新聞に限らな
いが、日本の一部マスコミは、特定の者には質問もせず、ただそのまま聞
いていることがある。テレビでも同様だ。


話が少し横道となるが・・・・・・

ジェームズ・レストンが周恩来に会見した時、周恩来が「日米安保には反
対する」と言ったのに対し、レストンは「日米安保がなくなれば、日本は自
衛のために核武装するのではありませんか?」と質問した。
たしか答えはむちゃくちゃだったのではなかったかしらん。それからしばら
くして、中国は日米安保反対とは言わなくなり、「非武装中立」の社会党は
メンツを失った。



念のため・・・・・・さらに詳しくいえば、
1971年8月10日、周恩来と会見したレストンは、周恩来の日本への反感
が激しかったので、

「米国人は過去をいつまでも根に持たない。だから米国にはもう激しい反
日感情も反独感情も存在しない」

というと、周恩来は、

「過去を忘れてしまう人間は過去の悲劇をまた繰り返すことになる」

と激しく切り返してきたが、レストンは引き下がらず、

「もし米国が日本との安保条約を破棄した場合、日本は軍国主義的傾向を
強めるのか、弱めるのか。日本が米国にも安保条約にも拘束されなくなっ
たら、ほとんど確実に核武装に進むに違いないと、私は思うのだが。だから
私は、あなたが日米安保条約が破棄されることを望んでいるのは理解でき
ない」

と反論した。

ちなみに周恩来の答えは、

「それはこじつけだ。日米安保があるなしにかかわらず、日本はあらゆる
兵器を生産することが可能だ。単に(日米安保)条約によって核兵器製造
を阻止することはできない」
というものだったようだ。

中国は、その時々の国際情勢に応じて、自国の利益のために、方針変更
するものである。

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