人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

大熊一郎『おしゃべり』

2008-10-31 05:44:21 | 読書

私のゼミの指導教官は大熊一郎教授であった。先生は財政学とりわけ
フィスカル・ ポリシーの権威だった。今から40年ほど前はNHK TV
にもよく出演されていたようだ。

先生は大正12年生まれだからご存命であれば今年85歳であるが、残念
ながら20年ほど前に亡くなられた。

本書(創文社刊)は、「浅草育ちの江戸っ子教授、お酒とおしゃべりが
大好物」な先生がコツコツと書き溜めた随筆集である。



先生はイギリス流ユーモアの持ち主だった。
アメリカ人みたいにワッハッハと笑いながら「これ、おもしろいだろ~」
なんていうのではなく、上品に、ニコリともせず、おもしろいことをおっ
しゃられた。



3年の入ゼミ試験(英語と経済学。数学もあった?)の結果は、私の
名前が一番に貼り出された。五十音順でもなければABC順でもない。

私はそれがずっと気に なっていたので、卒業のお別れコンパで思い切
って先生に訊いてみた。

「あの~~、成績順だったのですか?」
大熊教授、ニコリともせず、
「ああ、あれは何順でもないよ」
私は赤面し、私を除く全員が大爆笑となった。




(大熊ゼミ関連で)
*わがゼミはまことに「よく学び、よく遊べ」であった。「よく学」ん
 だKさんは慶應商学部の教授となった。

*当時、大熊ゼミには上記とは別のKさんという院生がおられた。無論、
 頭は切れるので、Kさんと大熊先生が議論をし始めると、みなポカ~
 ンであった。この方、現在は早稲田大学大学院教授かしらん。 


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