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Coração da copa do mundo - ワールドカップ期間限定感想文

育成の投資が実ったドイツ協会総合力の優勝

2014-07-19 10:34:34 | 2014ブラジル
ドイツは一番いいチームだった。それは前回大会でスペインが示した組織によるサッカーを、ドイツ人の強靭な体力の上に再構築した、非常にレベルの高いものだ。ドイツの優勝は文句なしだったと思います。

ドイツの勝因に関して、オシムさんがスポニチに寄稿されていますので、それを抜粋引用する。
 決勝戦は見ごたえがあった。特徴を出し、得点は多くなかったが、双方の気持ちが伝わってきた。ドイツには優勝おめでとう、アルゼンチンにもよくやったと言いたい。
 ドイツの特長は、コレクティビティー(集団性)だ。個々の選手のレベルも高いが、一貫した育成方針の下でグループをつくり、息のあったコンビネーションができるように育てられた。ブラジルのようにネイマール個人に依存するチームはもろい。コンディションや故障で出場できないと、全く別のチームになる。これはドイツの勝因でありブラジルの敗因だ。
 ドイツの第2のポイントはフィジカル。といっても、かつてのような身体のサイズや強さではなく、よく走ることだ。スプリントと、それをくり返す持久力だ。走ることができれば相手よりも多い人数で試合するのと同じことで、戦術的バリエーションが広がる。若く、走力も技術もある選手を選抜することでスペインのようなパスサッカーもカウンターもできる。相手の出方に合わせることも、機動力をいかして主導権を取ることもできる。
 さらに今回のドイツは「多民族性」がある。東欧系やトルコ系、アフリカ系の選手が入り、従来のドイツにはなかった要素が加わる。ある意味でドイツ人以上にドイツ人らしく成長し、ドイツ代表の新しい姿を象徴している。このような多民族性は差別が強い社会では不可能だ。ドイツの移民政策が安定し、社会が成熟して可能になった。
 特筆すべきはGKノイアーの存在だ。彼なしに優勝はあり得なかった。シュートを防ぐ能力だけでなく、11人目のフィールドプレーヤーとして、ゴールから30メートルの危険を取り除いた。足元の技術、スプリント能力、ハーフウエーラインまで届くロングスローなど現代サッカーのGKの発展方向を示している。ほかにも優れたGKが目立ったW杯だった。

日刊スポーツ [ 2014年7月15日 09:35 ]
【オシムのW杯総括1】個より「集団性」一貫した育成結実したドイツ


そのレベルは高く、日本から見て遥か遠くに引き離された感がありますが、背景にはオシムさんも指摘している通りの、育成に関する投資がある。これは「個の天才性」みたいな日本がまねできない何かに依存していないので、なんとか参考にしてみたい。

ドイツの育成に関して、今週のエルゴラッソに記述があった。記載のフィンケのインタビューは読んだ記憶があります。エルゴラ紙の探求を期待。
 14年前はどん底だった。ユーロ2000で散々な内容を見せてグループステージ敗退。現状を真摯に、そして正確に受け止めたドイツサッカー連盟はそこから未来を見据えた改革に踏み切り、ついに世界王者へ返り咲いた。
 改革の根幹にあるのは、選手の発掘・育成だ。ユーロ2000の2年前、98年フランスW杯を準々決勝で敗退となったあとに、ドイツサッカー連盟は有識者会議という形で長期的な視野に立った育成について議論を始め、2000年に委員会を設立。その委員会にブンデスリーガの指導者が3人呼ばれ、その一人がかつて浦和でも指揮を執ったフォルカー・フィンケ氏だった。氏は4年前の本紙に掲載したインタビューでドイツの改革について詳しく語ってくれており、何らかの形であらためて今後の本紙で紹介していきたい…
継続」が生んだ怪物 EL GOLAZO本紙表紙コラム / 編集長・寺嶋 朋也(2014/07/16)

ドイツ改革に呼ばれた3人とは、フィンケとハンス・マイヤー、そしてフェリックス・マガトだったという。マガトはドイツに渡った長谷部をしごいた監督。

フィンケの改革の骨子は、育成(ナショナルトレセンの整備)と移民の受け入れだったそうで、その2つが見事に実ったといえるだろう。

ドイツ優勝おめでとう。


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