ーRAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへー
2011年 日本
監督=蔵方政俊 キャスト=浦友和(滝島徹)余貴美子(滝島佐和子)小池栄子(片山麻衣)中尾明慶(小田友彦)吉行和子(井上信子)塚本高史(片山光太)岩松了(島村洋二)徳井優(河野啓司)中川家礼二(楠木雅也)仁科亜季子(深山朋香)清水ミチコ(沢田良子)立川志の輔(出前のオヤジ)米倉斉加年(吉原満)西村雅彦(冴木俊也)
【解説】
富山県の富山地方鉄道を舞台に、1か月後に定年を迎える運転士と、夫の人生を支えながらも自分の今後の人生について思い悩む妻の姿を描くヒューマンストーリー。シリーズ第1弾『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』の助監督を務めた蔵方政俊が監督デビュー。主人公の運転士を三浦友和、妻を余貴美子が演じる。富山県ののどかな風景をバックに展開する温かみあふれるストーリーに、胸が熱くなる。
【あらすじ】
42年勤めた富山地方鉄道を1か月後に定年退職する滝島徹(三浦友和)。運転士の父親が倒れたことからやむなく同じ職業に就いた徹だったが、現在は誇りを持って自身の仕事に務めていた。一方、彼を支えてきた妻・佐和子(余貴美子)は、がん検診で再検査となったことをきっかけに、自分の人生を見つめ直し始める。(シネマトゥデイ)
【感想】
富山県は行ったことがありません。
神々しくそびえ立つ壁のような立山連峰と近くに見える緑の山々、重層的な山を背景に走る電車。
ステキな景色だなあ。
ようし、いつか行くぞ!!
さて、内容ですが。
すごく評判いいんですよね。
でも、私はあんまりだなあ。
というのも、自分から喧嘩を売っておきながら、絶対謝らない夫に、最近他に悩むこともなくなってきたせいか、妙にむかついていた私です。
こういう映画を見たら溜飲が下がると、期待していました。
ところが、結果的には夫を見直すことになっちゃいました。
おのろけみたいですみません。
長年勤めた運転士という仕事も、あと1ヶ月て定年というところまできた滝島徹(三浦友和)。
同僚が、もう少し続けたらと言ってくれるが、妻・佐和子(余貴美子)とのゆっくりした老後を楽しみにしていた。
ところが、佐和子は結婚するまで働いていた看護婦の仕事に戻りたいと言い出したのです。
「なんで、いまさらそんな大変な仕事に?」と納得が行かない徹を残して、佐和子は家出、さらには離婚届まで持ち出しました。
娘(小池栄子)からも「お父さんは変わらない」とか、責められるけど、いい夫でありいいお父さんだと思うなあ。
職場でも、信頼の厚い無事故無違反の運転士。
若い運転士にも尊敬されます。
彼のどこが、こういう結果を招いたのか、ちょっとわからない。
☆ネタバレ
徹の運転する電車が、落雷のために停電で立ち往生してしまった。
その電車には佐和子のケアしている患者さん(吉行和子)が乗っていて、具合が悪くなる。
佐和子がかけつけ、崖を上って電車にたどり着くのを徹が手助けし、ようやく佐和子の仕事の大切さ、彼女の本気さに気が付く。
という内容です。
つまり、徹は世間的にはいい夫いい父であったが、妻の希望には気が付かなかったということでした。
それは、やはり、鈍感というしかないし、この夫がいかに妻の言動に興味がなかったかということだと思いました。
まるで、母の世代の夫婦を見ているような気がしました。
周りを見渡したら、私よりずっと上の世代の方々ばかり。
そして、お茶の間状態でおしゃべりされているご夫婦が近くにおられて、ちょっと困りました。
ラストは泣いてしまいましたけど、やはり、うちの夫の方が私のことをわかっていてくれるわ、と怒りが消えていい気持ちになりました。
これも、映画の効用でしょうか?