ーリライフーTHE REWRITE
2014年 アメリカ 107分
マーク・ローレンス監督 キャスト=ヒュー・グラント (キース・マイケルズ)マリサ・トメイ (ホリー・カーペンター)ベラ・ヒースコート (カレン・ギャブニー)J・K・シモンズ (ハロルド・ラーナー学科長)
【解説】
『ラブソングができるまで』のヒュー・グラントとマーク・ローレンス監督が4度目のタッグを組んだ人間ドラマ。田舎の大学でシナリオ講座を受け持つことになった落ち目の脚本家が、映画を愛する生徒たちとの交流を通してやる気を取り戻していくさまを描く。『セッション』で鬼教師を演じオスカーに輝いたJ・K・シモンズが涙もろい学科長という対照的な役柄を好演するほか、作中のキーパーソンとなるシングルマザーにオスカー女優マリサ・トメイがふんする。
【あらすじ】
かつてアカデミー賞を受賞するも、15年間鳴かず飛ばず状態の脚本家キース(ヒュー・グラント)は、破産寸前で妻子にも逃げられる始末。人生どん底の彼は郊外の大学でシナリオコースの講師を引き受けるが、乗り気でなく不真面目に振る舞う。しかし、子育てしながら復学したホリー(マリサ・トメイ)をはじめ真剣な生徒たちの情熱に接するうちに、鬱屈(うっくつ)したキースの心に変化が生じ……。(シネマトゥデイ)
【感想】
これもひどい邦題。
主人公が脚本家なのでタイトルが「リライトTHE REWRITE」。
「書き直す」なのでペーソスとユーモアが生まれるのに、「生き直す」では重た過ぎるでしょう。
本編中にも、脚本は何回も書き直しを要求されるというセリフも出てきます。
かなりこだわったタイトルだと思います。
ヒュー・グラントのダメ男再生映画。
これまで何本もありましたよねー。
でも、この作品もなにげなく、いいですよー。
私は大好き。
「間違いの楽園」でアカデミー賞まで撮った脚本家のキース(ヒュー・グラント)。
一躍ハリウッドの成功者となったが、その1本だけで後は鳴かず飛ばず。
妻にも見限られ、妻はその後「間違いの楽園」の監督と再婚。
惨めな思いを引きずっている。
一人息子とも疎遠に。
新作を制作会社に持ち込むが、丁寧に断られて終わり。
生活費も底をつき、電気も止められてしまった。
エージェントからビンガムトンという地方の大学の脚本講座、非常勤講師の口がかかり、車と住むところも用意するというので働くことにした。
というより、そこしか行くところがなかったのだ。
ビンガムトンのハンバーガー屋で女子学生カレン(ベラ・ヒースコート)と知り合い、そのままベッドイン。
これがのちのち災いの種となる。
大学に行くと、学科長のラーナー(J・K・シモンズ)が気をきかせて、生徒たちに短いシナリオを書かせていた。
このなかから生徒10人を選ぶようにと言われる。
キースはシナリオを読まずにフェイスブックで学生たちをチェック。
美女8人と少しオタクっぽい男の子2人を選んだ。
もちろん、お気に入りのカレンもそのなかにいる。
最初の授業で「提出したシナリオを1部にして3部まで書き上げ、1年後の授業で会いましょう」と1年間の休講を言い渡した。
教授たちのパーティでは、ジェーン・オースティンの権威のウェルドン教授(アリソン・ジャネイ)に、オースティン批判をして大顰蹙を買う。
非礼を詫びに行って、授業の態度も批判されて、授業を通常通り行うことに。
また、学生のホリー(マリサ・トメイ)にシナリオを呼んでないことを見破られ、弱みを握られて授業に参加させることにした。
ホリーはもとダンサーだが、シングルマザーで二人の女の子を育て、働きながら学学生だ。
キースと11人の学生のシナリオの授業が始まった。
始まってしまえば、そこは本職。
授業にのめり込み、個性的な学生たちと刺激的な授業が展開されて行くことに。
☆ネタバレ
カレンとの情事が大学にバレそうになる。
生徒との恋愛は大学の規律違反で、バレたら即退職。
あわてたキースはカレンと別れようとするが、カレンは承諾しないし、遠ざけると嫌がらせをしてきた。
大学側はウェルドン教授からの告発で審問会を開くと言い出す。
ラーナー学科長は、ウェルドン教授に謝罪することを進めるが、キースは、しっぽを巻いて退散しようとする。
キースは学生たちに脚本を教えているうちに「間違いの楽園2」を書き上げていた。
そして、学生の中のクレムという男子学生に才能を見いだし、制作会社の人たちと会えるように計らった。
「間違いの楽園2」は他の人が他の視点で脚本を書くことになり、クレムの作品は採用となった。
キースは時代が動いたのを感じ、自分はビンガムトンに戻る決心をする。
この作品、会話がとても素敵です。
よく練られていると思いました。
映画の話もふんだんに出てきて、とても楽しい。
「マット・デイモンが宇宙に飛び出す映画の企画…」、本当にあったのですね。
映画館を出たら大画面で予告編をやっていました。
「ジョナ・ヒルとチャニングテイタムで映画」なんて、「ジャンプ・ストリート」のこと?
そんなにヒットしてないと思うけどなあ。
嘘も真も、ホラ話も面白い。
そして、自分と息子のデリケートなお話。
泣かせる。
それにしても、ヒュー・グラントが18歳の息子がいる役なんて…。
確かに、落ち着いてきたよね。
というわけでこの作品、とっても気に入りました!
マリサ・トメイがとてもチャーミング。
目の下の皺まで魅力手です。
「セッション」の鬼教授J・K・シモンズが、家族思いの人情味溢れる学科長に。