ートランセンデンスーTRANSCENDENCE
2014年 アメリカ 117分
ウォーリー・フィスター監督 ジョニー・デップ(ウィル・キャスター)モーガン・フリーマン(ジョセフ・タガー)ポール・ベタニー(マックス・ウォーターズ)レベッカ・ホール(エヴリン・キャスター)キリアン・マーフィ(ブキャナン捜査官)ケイト・マーラ(ブリー)コール・ハウザー(シティーヴンス大佐)
【解説】
『ダークナイト』シリーズなどのクリストファー・ノーラン監督が製作総指揮を務めるSFサスペンス。亡き科学者の意識がアップロードされた人工知能が進化を果たし、人類や世界を混乱に陥れていく。メガホンを取るのは、『インセプション』『マネーボール』などの撮影を手掛けてきたウォーリー・フィスター。ジョニー・デップ、モーガン・フリーマンら、実力派スターが顔をそろえる。電脳化が進む現代に警鐘を鳴らす物語と鮮烈なビジュアルに息をのむ。
【あらすじ】
人工知能PINNの開発研究に没頭するも、反テクノロジーを叫ぶ過激派グループRIFTに銃撃されて命を落としてしまった科学者ウィル(ジョニー・デップ)。だが、妻エヴリン(レベッカ・ホール)の手によって彼の頭脳と意識は、死の間際にPINNへとアップロードされていた。ウィルと融合したPINNは超高速の処理能力を見せ始め、軍事機密、金融、政治、個人情報など、ありとあらゆるデータを手に入れていくようになる。やがて、その進化は人類の想像を超えるレベルにまで達してしまう。(シネマトゥデイ)
【感想】
ジョニー・デップがヒ素しぶりに素顔でシリアスドラマに出演!!
ジョニーファンの私ですが、アンバーと婚約後、少し情熱も冷め気味。
でも、これは見逃すわけにはいかない。
初日に行ってまいりました。
でも、アメリカでは批評家の評価も低く興行的に大コケしたとか、日本のレビューも悪く、正直、不安でいっぱいでした。
でも、始まってみるとそんな不安は払拭されました。
とてもピュアな科学者ウィルは、ジョニーのいい表情を見せてくれましたよ。
(すぐに病気になって死んでしまいますが…)
RIFTという組織のテロリストに襲われた科学者ウィル(ジョニー・デップ)は、弾丸に塗られていた毒物の中毒となり、余命を宣言されてしまう。
妻のエブリン(レベッカ・ホール)とマックス(ポール・ベタニー)によって、ウィルの頭脳をウィルが開発したPINNというコンピュータにアップロードすることに同意、その後、ウィルの肉体は死んだ。
コンピュータに入ったウィルの頭脳はインターネットに接続され、世界中のネットとつながる。
エブリンは自分の会社の株で大儲けし、その資金を元に寂れた田舎町に巨大な施設を作る。
その地下深くでエブリンとコンピュータの中のウィルは壮大な計画を着々と押し進めようとする。
それは、神にも似た行為で、エブリンも次第に恐怖感を覚えて行くのだか。
☆ネタバレ(これから見る予定があって、楽しみたい人は読まないでね)
コンピュータから発せられる意志は、誰かというのが謎となっています。
果たしはそれはウィルと言えるのか?
「2001年宇宙の旅」のコンピュータ「ハル」もそうでした。
コンピュータが意志や感情を持ったらどうなるのか?
みんなが不安になりますが、ウィルはあくまでエブリンのため、エブリンの理想を実現するために暴走し過ぎてしまったという結末でした。
私はいろいろわからないところもあったけど、作り手のメッセージは良かったと思いました。
ウィルが放った無数のナノロボットは、ウィルやエブリンの亡き後、雨にまじり、土にまじり、壊された環境を再生させてくれたらいいなあと思いました。
誰もコンピュータに殺された人がいないのは、やはりウィルが人間性を失わなかった証だし、エブリンへの愛だけが真実という証明だと思いました。
一度、電気の無い世界も想像したみたらいい。
日本も、脱原発の熱も冷めつつあって、経済偏重の気風ですが、電気が無くなった世界を想像してみることも大切。
不便はわかるけど、得るものもあるのでは?
暗い夜に、ろうそくの元で家族が話をする時間とか。
そして、それが人間としての原点を思い出す、とても大切な時間かもしれない。
私がわからなかったのは、ウィルスをコンピュータに入れるというのに、人間の血から作っていたところ。
コンピュータウィルスではなく、本物のウィルス?
このやり方って正しいことですか?
マックスがテロリストに取り込まれたり、テロリストとFBIが手を組んだり、テロの罪に問われなかったり…大悪と闘うためには毒をも食らうでしょうか?
今風と言えば今風ですが、皮肉が利き過ぎていますよね。
そうはいっても、モーガン・フリーマンやキリアン・マーフィなど、キャストはいいし、メッセージ性もあるし、そんなに悪口を言われる作品ではないと思いました。