マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア

2009-02-08 13:12:49 | 映画ーDVD
ーノッキン・オン・ヘブンズ・ドアー KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR
1997年 ドイツ
トーマス・ヤーン監督 ティル・シュヴァイガー(マーチン・ブレスト)ヤン・ヨーゼフ・リーファース(ルディ・ウルリツァー)ティエリー・ファン・ヴェルフェーケ(ヘンク、ベルギー人)モーリッツ・ブライブトロイ(アブドゥル、アラビア人)フーブ・シュターペル(フランキー・“ボーイ”・ベルーガ)レオナルド・ランジンク(シュナイダー)ラルフ・ヘアフォート(ケラー)コーネリア・フロベス(マーチンの母)ルトガー・ハウアー(カーチス)

【解説】本国ドイツで大ヒットとなったアクション・ロード・ムービー。余命わずかと宣告され、たまたま末期病棟の同室に入院させられたマーチンとルディ。二人は死ぬ前に海を見るために病棟を抜け出し、ベンツを盗んで最後の冒険へと出発した。その車がギャングのもので、中に大金が積まれていたことも知らずに……。道中、残り少ない命の彼らに怖いものなどなく、犯罪を繰り返し、ギャングのみならず、警察からも追われる身になるのだが……。(allcinema ONLINE)

【感想】
「最高の人生の見つけ方」を見て感動していた時に、この作品の存在を知って、見たくなりました。

タイトルはボブ・ディランの有名な曲。
テーマ曲もこれをつかっていました。
ドイツ人バンドのカバーらしいけど。
他にも、名曲がいっぱい。

死期を悟った見知らぬ二人が、病院を抜け出して冒険するという設定は同じですが、内容はかなり違っていました。

この作品の二人は、若い。
一人は脳腫瘍で余命の少ないマーチン。
もう一人は骨肉腫のルディです。

二人の背景について多くは語られていないけど、マーチンもルディも労働者階級のあまり裕福でない若者のようでした。

やんちゃなマーチンと、気弱なルディの取り合わせがまた絶妙でした。

☆ネタバレ
二人は、病室でテキーラを見つけ、飲み始めました。
「海を見たことがない」とルディ。
「今天国で一番の話題は、海なんだぜ。みんなの話に入れないじゃないか」ということで、二人は病院を抜け出します。
パジャマで裸足のまま。
ルディなんかは、抜け出したことも覚えていないくらいに酔っぱらっていました。

この時に、盗んだ車がギャングのベンツで、しかもトランクには大ボスへの借金に返すための1000万というお金が入っていました。
怒ったギャングがしつこく追いかけてきますが、このでこぼこコンビもドジで失敗ばかりです。

大金があるとは知らない二人、商店を襲って、銀行を襲って、警察からも追われる身に。

命知らずとはこのことです。
余命の短い二人には、怖いものなんてないのです。
マーチンはルディを人質に取っているようにふるまって、TVも警察も翻弄します。

騒ぎはどんどん大きくなって、派手な銃撃戦やカーチェイスもありますが、死人は出ません。
ハードボイルドコメディといったかんじです。

死ぬ前に何がしたい?
マーチンは20個、ルディは8個書き出しました。
その中から、お互いのしたいものを1つ選び、マーチンは「ママに、プレスリーがママにプレゼントしたのと同じ型のキャデラックを贈る」、ルディは「二人の女性と寝る」に決まりました。

やりたいことをやって、ギャングの大ボスも大目に見てくれる中、二人は海にたどり着き、砂浜に座って夕陽を見ます。
偉そうに言っていたマーチンも海を見るのは初めてでした。
すばらしい、ラストシーンです。

短い間に育まれる友情や、身近な人への愛情。
名もない人であっても、悪党で虫けらのような人であっても、その命の輝きは尊く、かけがえのないものだということに気付かせられる、いい作品でした。