マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ジェイン・オースティンの読書会

2008-10-03 12:24:12 | 映画ーDVD
ージェイン・オースティンの読書会ーTHE JANE AUSTEN BOOK CLUB
2007年 アメリカ
ロビン・スウィコード監督 キャシー・ベイカー(バーナデット)マリア・ベロ(ジョスリン)エミリー・ブラント(プルーディー)エイミー・ブレネマン(シルヴィア)ヒュー・ダンシー(グリッグ)マギー・グレイス(アレグラ)リン・レッドグレーヴ(スカイ)ジミー・スミッツ(ダニエル)マーク・ブルカス(ディーン)ケヴィン・ゼガーズ(トレイ)

【解説】
『高慢と偏見』などの小説で知られるジェイン・オースティンの作品に、読書会のメンバー6人の人生を描き込んだヒューマンドラマ。全米ベストセラーとなった小説を基に、『SAYURI』の脚本家ロビン・スウィコードが初メガホンを取った。『プラダを着た悪魔』のエミリー・ブラントや『ワールド・トレード・センター』のマリア・ベロらが演じる読書会参加者が、オースティンへのアプローチを通して心に抱えた問題とも向き合っていく。彼女たちの悩みに提示されるシンプルな答えが、観る者の心にしみる。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
最愛の犬を亡くしたブリーダーのジョスリン(マリア・ベロ)を元気づけるために、親友のバーナデット(キャシー・ベイカー)が提案したのは“人生の解毒剤”といって愛読するジェイン・オースティンの小説を論じる読書会。恋に踏み込めない独身主義のジョスリン、夫との価値観の違いに悩むプルーディ(エミリー・ブラント)など、実は会のメンバーたちは複雑な悩みを抱えていた。(シネマトゥデイ)

【感想】
ジェイン・オースティンって、その作品がほとんど映画化されていて、人気の高い作家ですね。
私も「ある晴れた日に(分別と多感)」や「プライドと偏見(高慢と偏見)」を見ました。
でも、本は読んだことがありません。

「ジェーン・オースティン(Jane Austen、1775年12月16日 - 1817年7月18日)は、イギリスの小説家。ハンプシャーのスティーブントン生れ。
18世紀から19世紀イングランドにおける田舎の中流社会を舞台として、女性の私生活を結婚を中心として皮肉と愛情を込めて描き、イギリス小説の頂点とされる。主要作品は『分別と多感』『高慢と偏見』『エマ』『マンスフィールド・パーク』『ノーサンガー僧院』『説得』の6つの長編小説。」(ウィキペデアより)
生涯独身で、32歳くらいで亡くなっているようです。

アメリカでは、読書会が空前のブームだそうです。
私も昔、文学少女だった頃、読書会という知的な響きに、憧れたわあ。
最近は、ちっとも本を読みませんが。

さて、バーナデット(キャシー・ベイカー)が提案した読書会。
6冊の長編を読むから、6人のメンバーが必要でした。

そもそも、犬のブリーダーをやっていて、愛犬を亡くし悲嘆にくれていたジョスリン(マリア・ベロ)を元気づけるのが目的だったのに、シルヴィア(エイミー・ブレネマン)の夫が、愛人の存在を告げ、急に離婚することになってしまった。
落ち込むシルヴィアを励ますためにも、読書会が必要となった仲間たち。
シルヴィアの娘アレグラ(マギー・グレイス)も入れて、バーナデットがジェイン・オースティン映画会で出会った、オースティンを一番身近に感じているフランス語教師のプルーディ(エミリー・ブラント)もメンバーになった。

あと、ひとり。
ジョスリンは、オースティンを一度も読んだことがないという読書好きの青年グリッグ(ヒュー・ダンシー)を連れてきた。

ここからは、本を読んでそれぞれの主人公たちと比べることができたら、この映画の価値はぐっと増すのでしょうが、読んでいなくても十分面白かったです。

女たちの人生が、本の主人公と重なったり、交錯したりして、自分の人生を検証することになったり、孤独を癒したり、踏み出す勇気をもらったり、踏みとどまる分別をもらったり。
読書会の絆や女性の友情が、とても穏やかに描かれていました。

プルーディを慕う生徒にケヴィン・ゼガーズ。
相変わらず、美青年でした。

秋の夜長に、ジェーン・オースティンもいいかなあ?

ペネロピ

2008-10-03 12:18:35 | 映画ーDVD
ーペネロピー PENELOPE
2006年 イギリス/アメリカ
マーク・パランスキー監督 クリスティナ・リッチ(ペネロピ)ジェームズ・マカヴォイ(マックス)キャサリン・オハラ(ジェシカ・ウィルハーン)ピーター・ディンクレイジ(レモン)リチャード・E・グラント(フランクリン・ウィルハーン)サイモン・ウッズ(エドワード・ヴァンダーマン Jr.)ロニ・アンコーナ(-)レニー・ヘンリー(-)リース・ウィザースプーン(アニー)

【解説】
先祖がかけられた呪いのせいで豚の鼻と耳を持って生まれてしまったヒロインが、真実の愛を見つけるために奮闘するロマンチックコメディー。大きな豚の鼻を持つ主人公を『スリーピー・ホロウ』のクリスティナ・リッチが好演。彼女と惹(ひ)かれ合う青年を『ラストキング・オブ・スコットランド』のジェームズ・マカヴォイが演じる。製作はオスカー女優のリース・ウィザースプーン。おとぎ話の香り漂う独特の映像世界とハートフルなストーリーが魅力だ。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
魔女に呪いをかけられ、豚の鼻と耳を持って生まれた裕福な名家の娘ペネロピ(クリスティナ・リッチ)。マスコミと大衆の目から身を守るため、屋敷の中だけで生きてきた彼女は、永遠の愛を誓って呪いを解いてくれる男性を待ち続けていた。そんな中、名家出身の青年マックス(ジェームズ・マカヴォイ)が現れるが……。(シネマトゥデイ)

【感想】
劇場公開を見逃していました。
見たかったわあ。

そして、やはりいい作品でした。

あらすじを読めばわかるように、ストーリーは単純です。

コンプレックスを持った女性が、自分探しをして、自信を取り戻し、真実の愛に目覚めるという王道です。

この作品のよさは、ペネロピ(クリスチーナ・リッチ)の素直さだけではなく、周りの人たちへの愛情も深いところです。
だって、外見にしか興味のない母親にさえ、優しく接して、彼女の意見も愛情として受け入れる、器が大きい娘、とても思慮に富んでいました。
お父さんは、ペネロピのブタの鼻なんてまるで気にしていないみたいで、とてもいい感じでした。
お母さんの思い込みに振り回されている家庭ってありますよね。

ところが、夢やぶれ、荒んだ生活をしていて、貴族の青年に仕立て上げられたマックス(ジェームズ・マカヴォイ)に好意を抱き、姿を現して、振られたとたん、彼女は自分探しの家出を敢行するのです。

そこで、アニー(リース・ウィザースプーン)に会い、世の中に出て、その容姿に勝る才能を評価される。

そうなると、今度はマックスの生き方が問われることとなります。

彼は果たして、お姫様の呪いを解く白馬の騎士なのかー?

最近落ち込み気味の妹と一緒に見て、彼女が「なんか自信がわいてきたわ」と言ったのが、うれしいことでした。

おとぎ話のような、きれいな映画だけど、人に何かを感じさせてくれる作品でした。

結婚しようよ

2008-10-03 12:15:30 | 映画ーDVD
ー結婚しようよー
2007年 日本
監督=佐々部清 三宅裕司(香取卓)真野響子(香取幸子)藤澤恵麻(香取詩織)AYAKO(香取歌織)金井勇太(木村充)中ノ森BAND(-)ガガガSP(-)田山涼成(-)岩城滉一(榊健太郎)モト冬樹(丸山勉)入江若葉(菊島靖代)松方弘樹(菊島喜一)

【解説】
吉田拓郎の大ファンである『夕凪の街 桜の国』の佐々部清監督が、夢にまで見た全編“拓郎ソング”でいっぱいの心温まるヒューマンドラマ。健全なある家族を中心に、恋愛や夢や友情、そして夫婦愛について静かに語る。サエないけれど家族思いの父親を演じるのは三宅裕司。その妻役に真野響子、娘役に『ラブ★コン』の藤澤恵麻と中ノ森BANDのAYAKOがふんする。本作のクライマックスに合唱される「結婚しようよ」が心にしみる。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
平凡なサラリーマンの卓(三宅裕司)の楽しみは、毎晩家族4人全員で食卓を囲むこと。ある日、彼が駅前で吉田拓郎の曲を演奏するバンドに合わせて歌を熱唱していたとき、充(金井勇太)という青年と知り合う。卓は一人暮らしだという充を夕食に招き、妻の幸子(真野響子)と長女の詩織(藤澤恵麻)、次女の歌織(AYAKO)に紹介する。(シネマトゥデイ)

【感想】
私は加川良さんの熱烈なファンですが(その昔は東の拓郎、西の加川良といわれていた時代があったのです)、拓郎さんも嫌いじゃありません。
特に、「イメージの歌」とか「人間なんて」とか、今思い出してもすごいエネルギーを感じるし、とてもいい歌だと思います。

芸能界に入ってからの、華々しい活躍も見てきましたが、それは、あんまり興味はないのです。ごめんね。

吉田拓郎ファンの友達が「是非見て」と貸してくれたのがこの映画。

佐々部清監督は吉田拓郎さんのファンで、みんなにわかってもらえる映画を作ろうとしたのですね。

でも、ホームドラマにしたのは、あまりにベタではないかなあ。

なんか、拓郎さんの世界とは違う気がするのです。

音楽の道を諦め、幸子(真野響子)と結婚して、平凡なサラリーマンとして生きることを選んだ卓(三宅裕司)。
必ず家族で夕食を食べることという、我が家のルールを作って、自らもかたくなに守っていたが、長女に恋人ができ、二女は音楽の道を歩み始め、ルールを守れなくなってしまった、というストーリー。

自分で枠を作ってしまうというところが、もう、拓郎の世界とは違うと思うなあ。

テーマの「結婚しようよ」も、「僕の髪が肩まで伸びて、君と同じになったら結婚しようよ」という軽いフレーズがとても好き。

「そんなに深刻に考えなくても、何かをきっかけに決心したら一歩踏み出せるよ」という拓郎さんのメッセージだと思っていました。

拓郎さんはその後も自分流を貫き、芸能界や世間に一石を投じながらも、セレブとして成長し続ける存在となっています。

それに比べて、この映画の地味さは何だ?

主人公・卓の家庭にこだわる人生。
妻・幸子の夫に従う主婦の人生。
長女・藤澤恵麻(香取詩織)が選んだ蕎麦職人・木村充(金井勇太)との結婚。
で、唐突に二女・香取歌織(AYAKO)のバンドデビューでしょう?

人生て、たとえ平凡な人生と言われようと、ひとりひとりにとったらすごく難しいし、目の前の壁を乗り越えるのは並大抵ではないはず。
自分の人生では、自分は主人公でスターなんです。
それを表現するのが映画では?

主人公の理想が、田舎で自給自足の夫婦(松方弘樹・入江若葉)というのも、納得がいかないなあ。
むしろ、岩城滉一(榊健太郎)やモト冬樹(丸山勉)のエピソードを膨らませてもらいたかった気がしました。

拓郎さんの歌を身近において、人生を生き抜いてきた人たちには、この映画は少し軽すぎるのではないでしょうか?
「マーク?」とか、ガガガSPの歌とか、楽しーいシーンもいっぱいあったけど。

卓と幸子の結婚式でハッピーエンドって、ちょっと泣けませんでした。
私たち世代ーとりわけ私が、理想とした人生、欲しくて欲しくて、いっぱい闘ってきて手に入れたかったもの、少なくともあんな結婚式じゃない。

50代半ば、人生は終わったわけじゃないし、形のない、スリリングで挑戦的な人生は続くんだから。

なんで、ホームドラマのテーマが吉田拓郎だったんだろ?