マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ハンニバル・ライジング

2007-04-28 19:55:19 | 映画ー劇場鑑賞
ーハンニバル・ライジングー
2007年 アメリカ/イギリス/フランス ピーター・ウェーバー監督 トマス・ハリス原作・脚本 ギャスパー・ウリエル 、コン・リー 、リス・エヴァンス 、ケヴィン・マクキッド 、スティーヴン・ウォーターズ 、リチャード・ブレイク 、ドミニク・ウェスト 、チャールズ・マックイグノン 、アーロン・トーマス 、ヘレナ・リア・タコヴシュカ 、イヴァン・マレヴィッチ 、ゴラン・コスティッチ


【解説】
ベストセラー作家トマス・ハリスの生み出した“世界で最もインテリジェントなシリアルキラー”ハンニバル・レクターの過去に迫るシリーズ最新作。監督は『真珠の耳飾りの少女』のピーター・ウェーバー。原作者のトマス・ハリス自身が脚本を手がけ、レクター博士が“人喰いハンニバル”となるまでを描く。主人公ハンニバルを演じるのは『ロング・エンゲージメント』のギャスパー・ウリエル。シリーズの原点ともいうべき衝撃の展開に息をのむ。

【あらすじ】
1944年のリトアニア。名門貴族の家系に生まれたハンニバルは戦争の悲劇により両親を失う。幼い妹ミーシャを連れて山小屋で生活を始めたハンニバルだったが、逃亡兵たちがやって来て2人を監禁。そこでのある出来事を経て孤児院に送られ、成長したハンニバル(ギャスパー・ウリエル)は、やがて逃亡兵たちへの復しゅうを誓う。 (シネマトゥデイ)

【感想】
「羊たちの沈黙」ーもう何回見たことでしょう。プロファイリングという言葉を初めて聞いた、新しい形のサスペンスでした。ジョディ・フォスターがかっこよかった。
アンソニー・ホプキンスのレクター博士像が、生まれた映画です。
「ハンニバル」ー「レッドドラゴン」を見たいがために、手で顔を覆って、薄目を開けてみました。カニバリズムなんて、考えただけで寒イボが立つほど嫌いです。
そして、一番のお気に入り「レッドドラゴン」。レイフ・ファインズのくりからもんもん姿と、F・S・ホフマンの火だるまのシーン、忘れられません。
そして、エドワード・ノートンとアンソニー・ホプキンスの丁々発止。
レクターの頭脳が冴え渡っていました。

そのハンニバル・レクター博士の生い立ち、人喰い殺人鬼となる秘密がわかる、と楽しみに見に行きました。
ところが…。

この作品、単独で見れば、退屈もしなかったし、残酷すぎることもなく、主人公のハンニバル・レクターを演じたギャスパー・ウリエルにも満足したでしょう。
でも、これはハンニバル・レクターシリーズの新しいエピソードという宿命も持っているのです。
そう考えると、これは前の3作品と肩を並べるとはできないでしょう。
観客の少なさも納得できる気がしました。

解説を読むと原作者のトマス・ハリスが脚本を手がけていることで、少し、謎が解けたような気がします。
無理があったのでしょうね。
映画の脚本は、いかに原作から芯を取り出すかという作業ですものね。
作品に思い入れのありすぎる人は難しかったのでしょう。

戦争は弱い立場のものはさらに弱く、強いものからも一瞬にしてその強さを奪うものです。
そこが戦争の恐ろしさではないでしょうか。
疑心暗鬼や人間性の崩壊。
ここに、ハンニバルの原点があり、心を失いモンスターと化した彼は、復讐に邁進するというストーリーです。
そのことで、観客は妙に彼に同調してしまい、復讐を正統化して納得してしまう。

でも、待って、このシリーズの醍醐味は、理解しがたい、言いようもない違和感だったはず。
猟奇的殺人を犯しながら、自信満々のレクターと、追いつめきれない捜査官。
そのあやういバランスが魅力でした。
この作品に、その部分が足りなかったのが残念でした。

それから、付け加えるなら、レディムラサキ。
なんで、コン・リーなの?
この人、「マイアミバイス」でもスパニッシュを演じていましたね。
ちょっと安易すぎるキャスティングじゃないでしょうか?

鎧兜を拝んでいるシーンも不自然でした。
あんなことはしないよ。
お面がいっぱい吊ってあったのも、違うでしょう、と思いました。

「SAYURI」の時は、あれはあれ、と割り切れたけど、ここでは、その精神がレクターの根本をなすという扱いでしたから、もう少し、武士道について納得できるものが欲しかったです。
さらし首と骨を断つ日本刀の切れ味だけを言いたいためなら、日本文化を引き合いに出すまでもなかったでしょう。
ハンニバルが兜のアゴの部分を自分のアゴに当てるシーン、ポスターにもなっていますが、もっと意味のあるシーンかと思っていましたが、意味不明でした。
将来の姿を予知したとか?
まさか、ね。

怪優リス・エヴァンスの上を行くギャスパー・ウリエルの怪演ぶり。
グロさが押さえてあったのも、助かりました。
エンタメ作品としては、よくできていたけど、レクター博士に会いに行った人たちは、ちょっとがっかりしたのではないでしょうか。

このお話から、次の「レッドドラゴン」までに、もうひとつエピソードがありそうですね。
レクターの内面はこれだ、というのを期待したいです。

Mr.レディMr.マダム2

2007-04-28 19:43:37 | 映画ーDVD
ーMr.レディMr.マダム2 ー
1980年 フランス/イタリア エドゥアール・モリナロ監督 ウーゴ・トニャッツィ 、ミシェル・セロー 、マルセル・ボズフィ 、ミシェル・ガラブリュ 、パオラ・ボルボーニ

【感想】
Mr.レディMr.マダム」が面白かったので、続編も見てみました。
ドタバタぶりはますますエスカレート、面白かったです。

今回は、アルバンが女装してカフェにいると、追われて逃げ込んだ二重スパイに拉致されたのに、本人は若い男に誘惑されたと勘違い。
敵国と自国の日罪のマイクロフィルム争奪戦に巻き込まれるというもの。

女性より女性らしい、神経の細やかで傷つきやすいアルバンと、彼女(?)を愛してやまないレナトの珍道中がイタリアの田舎まで繰り広げられます。

封建的な田舎で女性として働かされて「ここでは女なんかやってられない、男になる!」というアルバン捨て台詞に笑っちゃいました。

アルバンが着てる衣装が、どれもすごく素敵。
私はあんな高価そうな服、一生着ることががないだろうなあ。


ワールド・トレード・センター

2007-04-28 19:41:52 | 映画ーDVD
ーワールド・トレード・センターー
2006年 アメリカ オリヴァー・ストーン監督 ニコラス・ケイジ 、マイケル・ペーニャ 、マギー・ギレンホール 、マリア・ベロ 、スティーヴン・ドーフ 、ジェイ・ヘルナンデス 、マイケル・シャノン 、ニック・ダミチ 、ダニー・ヌッチ 、フランク・ホエーリー 、トム・ライト

【解説】
9.11同時多発テロの標的となったワールド・トレード・センターを舞台に、大惨事から奇跡的に生還した男の姿を描く実話を基にした感動ドラマ。監督は『アレキサンダー』のオリバー・ストーン。『ナショナル・トレジャー』のニコラス・ケイジと『クラッシュ』のマイケル・ペーニャが、ワールド・トレード・センターに閉じ込められた警官を演じる。生粋のニューヨーカーであるストーン監督がリアリティにこだわって撮り上げた迫力の映像と人間ドラマが見どころ。


【あらすじ】
2001年9月11日、港湾警察署のベテラン巡査部長ジョン・マクローリン(ニコラス・ケイジ)と署員のウイル・ヒメノ(マイケル・ペーニャ)らは、同時多発テロの被害を受けたワールド・トレード・センターへ駆けつけた。マクローリンとヒメノら5人はビルの中に入って人々を誘導するが、崩落によって内部に閉じ込められてしまう。 (シネマトゥデイ)

【感想】
「ユナイテッド93」とは、趣の異なる映画でした。
これなら、9.11をテーマにしないでも…と思いました。
私はJRの福知山線の大事故と重ね合わせて見ていました。

どんな状況でも、見捨ず、自分の命も顧みず救おうと努力する人たち。
本当に崇高な行為だと、頭が下がります。
その精神だけでも、感動します。

また、長時間、痛みと絶望感に耐え、生還した人たちの精神力や生命力にも感動しました。

だけども、ワールドトレードセンターと銘打った限りは、もう少し踏み込んだ内容もあっても良かったのではないでしょうか。
あの大勢の人が亡くなったという事実の中で、数少ない生還者のニュースは、すがりたい一筋の光明にも似ていたのでしょう。

でも、この事件で傷ついた人たちは、この内容では癒されないでしょう。