片山修のずだぶくろ Ⅰ

経済ジャーナリスト 片山修のオフィシャルブログ。2009年5月~2014年6月

トヨタの「TNGA」に注目する

2013-03-28 23:11:45 | トヨタ

トヨタは昨日、2015年以降に市場投入する
新型車の開発手法「TNGA(トヨタ・ニュー・
グローバル・アーティテクチャー)」を発表しました。
モノづくりは少し、変わるのでしょうか。

モジュール(部品統合)戦略は、ドイツのフォルクスワーゲンが
早くから取り組み、日産自動車などが追随していますが、
トヨタの「TNGA」は、モジュール化を目的にしたものではありません。
では、その目的はどこにあるのでしょうか。

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「もちろん、原価を下げるということはありますが」
としたうえで、副社長の加藤光久さんは次のように語りました。
「走る、曲がる、止まるに加えて、
スタイルなどで世界トップクラスになれるように
基本性能を飛躍的に引き上げたうえで、
グルーピング開発などで賢く共用化を進めていきます。
いいモノをつくって、それを共用化するということです」

あらためて指摘するまでもないことですが、
トヨタのモノづくりにおける最大の特徴は、トヨタ生産方式です。
現場での「カイゼン」活動を繰り返しながら、高い生産効率をあげてきました。
自動車業界ではいま、モジュールによる設計標準化の動きがありますが、
単純にモジュール化を導入すればいいというわけではないでしょう。

というのは、自動車メーカーは、それぞれが独自の考え方のもとに
車づくりを進めているからです。
また、モジュール化は世界規模のコスト削減という長所はあるものの、
かりにリコールが発生すれば、莫大な対策費用が必要になるという
デメリットもあります。

一言でモジュール化といっても、その中身や目的はさまざまです。
また、各自動車メーカーのモジュール化への取り組みにも差があります。
実際、モジュール化のほか、プラットホーム(車台)の共通化、
部品の削減などに、トヨタをはじめ、各メーカーが取り組んでいます。
日本のモノづくりの代表選手であるトヨタの「TNGA」には、今後、
注目していきたいと思っています。


 


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1 コメント

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トヨタは昔から経営戦略に関する事の公式発表はオ... (日野三十四)
2013-03-29 21:24:09
トヨタは昔から経営戦略に関する事の公式発表はオブラートに包んでわかりにくくします。
TNGAは間違いなくVW式のモジュール化(=モジュール設計)です。TNGAは「トヨタのモノづくりを根本から変革する」(豊田章男社長言)ことが目的なので、社長直轄の組織にしました。

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