J OKAYAMA ~岡山サッカーの桃源郷へ

岡山サッカーファミリー(ファジアーノ岡山等)、スポーツ文化等「岡山からJリーグ百年構想を」・・・情報ライブラリ的ブログ。

湘南ベルマーレの事例58

2016-10-29 00:01:17 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクト(事例紹介)コラムです。
 先日、湘南さんのJ2降格の話題を紹介し、当ブログとしてはショックもあったと書きましたが、ネット情報を観ていると、他にもショッキングなニュースとして密かに波紋が広がっているようです。市民クラブがJ1の土俵で戦い続ける事がいかに難しい事なのか、結構根深い状況が浮かび上がってきました。まずはTHE PAGEの記事です。以下、抜粋して紹介。
   
【湘南ベルマーレJ2降格の背景にある移籍モラルの崩壊:THE PAGE】  
 J1湘南が2季連続のJ1残留を果たせなかった最大の原因は、得点力不足に帰結。32試合を終えた段階での総得点26点はリーグワースト2位で、昨季の同時期より12点も少ない数字。無得点に終わった試合は2つのスコアレスドローを含めて半分近くの15試合になり、1点差で泣いた試合も12を記録。曹監督に率いられた'12年以降、J1湘南は3-4-2-1を基本布陣として戦ってきたが、今季は最後まで1トップを固定できず。今一つ外国人選手が安定しない中で、日本人選手が1トップを務めても結果が出ないため、いくら素早い攻守の切り替えと、積極的に縦パスを入れる「湘南スタイル」で攻めても、チームの成績は上向かず。

 主力選手の2選手を引き留めるために最後の交渉を行う時間がわずかに残っていたが、曹監督は、慰留ではなく、激励の言葉を送った。選手たちから厚い信頼を寄せられる指揮官が直接出馬して説得すれば、2選手は翻意した可能性もあったが、曹監督は、2選手のサッカー人生での成長を期待してメッセージを介して背中を押した。
 本来ならば契約を残す選手を完全移籍で、手放せば相応の違約金が発生し、移籍元はそれを元手に新戦力を補強するポジティブなサイクルが生まれる。しかし、現在のJリーグでは、クラブ側と選手の契約にも関わる代理人及びマネジメント会社の間で「移籍に関するモラルが崩れている。違約金の設定が年俸の1年分という訳のわからない暗黙のルールがあり、ビッグクラブに寄り添う世界ができあがっている。代理人だってビッグクラブに寄っていたほうが、商売になる」と眞壁会長は指摘。

 J1湘南は以前から育成に比重を置いてきた。例えば高校まで無名だった石原選手を6年かけてエースへ成長させ、大宮へ完全移籍させた'08年オフには、1億円の違約金を獲得。翻って昨季オフは、5人の主力候補が湘南を去ったが、違約金の合計額は石原一人分に終わった。
「これが日本の中小クラブが選手を育てる現実だが、ヨーロッパは違う。選手を育てるクラブにはちゃんとした額のお金が入る。選手が『移籍したい』といえば喜んで送り出すし、獲得する側も値段を崩してまで取ろうとはしない。代理人に理由を聞くと『大体の常識がそうだから』という言葉が返ってくるけど、日本の常識とは誰が作ったのか。(違約金の)ハードルを下げたままなら、日本に育成型クラブなんてできるわけがない」と眞壁会長のコメント。

 今シーズンのJ1湘南の年間運営予算は約15億円で、J1では少ない方だ、親会社をもたない市民クラブとしては精いっぱいの金額。選手たちの年俸も、必然的に低く抑えざるを得ず、それでも時間と愛情を込めて、選手たちの心技体を鍛錬。
 その象徴が永木選手と遠藤選手。しかし、日本独自の暗黙のルールのもとに主力を有力クラブに引き抜かれ、育ててきた労力に見合わない違約金が支払われ続ける限りは、Jリーグ内における格差はどんどん開いていくだろう。
 J1湘南はJ2を戦う来季以降も、育成を重視するスタンスを変えず。眞壁会長もお金がない状態に甘んじるのではなく、J1甲府やJ1新潟に代表される地方クラブに倣い、経営規模を拡大させる努力を至上命題と掲げることで捲土重来を宣言。
 ぶれない姿勢に敬意を表するとともに、世界基準とは乖離した違約金設定に導かれた格差が、日本代表にも寄与している湘南がJ2に2降格する一因をなした事実を、Jリーグをはじめとする日本サッカー界は努めて重く受け止めるべきだと切に思うと締めくくっています。
THE PAGE該当記事:https://thepage.jp/detail/20161025-00000004-wordleafs

 という内容でした。ここで注目すべき部分は、真壁社長は甲府さんや新潟さんを理想の地方クラブとして目標視している点。先日のこちらの記事で、今後経営規模を拡大させていく方向性を示しておられます。今後湘南さんがどのようにして経営規模を拡大していくか注目したいと思います。そして、少し前の日経新聞の「フットボールの熱源」にも湘南さんに関する記事が出ていました。以下、抜粋して紹介。

【責任は全スタッフにある:フットボールの熱源】
 J1湘南のJ2降格が決まり、曹監督はその責任を一人で背負い、「降格の責任は選手には1%もない」とコメント。その一方で、真壁会長は「責任はクラブにある」とコメント。昨季オフに移籍した主力選手を引きとめる財力が無かった。
 真壁会長が国にする言葉は、売り上げを15億円前後から思うように伸ばせずにいる経営責任を意味。チームの成績はクラブの総合力で決まり、監督、選手の力だけではなく、育成組織の力、それらすべての源となるクラブの収益力を合わせたもの。
 チームの成績はクラブの営業収益とほぼ相関。'14年は営業収益が21億円の徳島、’15年は18億円の山形、21億円の松本がJ2降格。'14年のC大阪(37億円)、大宮(34億円)、'15年の清水(31億円)の例外はあるが、残留争いの中心は20億円前後のクラブ。'15年とともに15億円で残留した湘南、甲府は驚異的な存在。
 売上はクラブが置かれた地域性に大きく左右され、綾会社の地方クラブはハンディを負うが、Jクラブはいかに稼ぎ、いかに効率的にチームの成績に幡得させるかを競いあわされている。プロリーグは経営手腕を競う戦い。
「あと1社、大口スポンサーと契約できていたら」「1試合平均入場者をあと千人上積みできていたら」という仮定は「もう1人、有力選手を取れたはず」「優勝争いに加われたはず」につながる。
 クラブに関わるすべてのスタッフの働きがチームの成績を決める要因。そう考えると降格した場合の責任はすべてのスタッフにあると締めくくっています。

 クラブは全スタッフにあるという言葉は手厳しいですが本当でしょう。運営と現場はクラブの両輪。責任はチームだけではなく、運営側にも同じだけの責任があり、クラブを構成する全員に共同責任があるという意味なのでしょう。
 しかし、当ブログとしては、数字だけではないと確信しています。実際に上の記事にもいくつも例外が出ています。大事な事はクラブを構成するトータルだな力だと思います。加えて、地域の宝である公共財になれていなかったら、いくら予算が30億円を超えても長続きしないでしょう。そういう面でもJ1に定着(今季は残留争いから脱していませんが)しておる甲府さんと新潟さんには学ぶべき点は多いと思います。
 ツイッターにも書きましたが、J1をキープできている市民クラブと、岡山を比較して欲しいというリクエストが来ているので、ちょうどいいと思っています。個人的にもこの部分が興味があります。意外だったのがJ1時代の徳島さん。何と21億円あったのですね。いくらJ1仕様とは言っても、現在との大きな差に驚いてしまいました。やはり、数字じゃない。J1に行けばペイできるから強化しとけというものではないと思いました。
J1湘南関連:60595857565554535251504948474645444342414039383736353433323130292827262524232221