J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

クラブ経営について54

2013-10-27 00:01:16 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 事例紹介コラムです。
 先日、残念なニュースが流れました。J2福岡が経営危機を迎えているというもので、J3?JFL?への降格危機はないようですが、資金不足に陥っているようです。福岡さんといえば、当ブログでは「中央防犯」「藤枝ブルックス」として活動され、旧JFL時代に静岡県藤枝市からホームを移転され、地元の愛着度浸透にハンデがある中で、今まで頑張ってこられ、事業の中ではブラインドサッカーなど社会貢献活動も立派なイメージがあります。以下、抜粋して紹介。
      
 J2福岡の今年度の運営資金が不足し、経営が苦しくなっている事をクラブ社長が表明。約5千万円の不足とみられ、大塚社長は「収支の見込みに甘さがあった」と陳謝。J2福岡は今シーズンは約9億6,000万円の営業収入を見込んだ予算だったが、広告収入の減少などで9月末で約8億2,000万円の状況。入場料収入やスポンサー収入が予算を下回っている状態で、2期連続の赤字の見通し。対応策として数千万円の借り入れを行ってきたが、現在は新たな借り入れ先が見つかっていない状況。12月に選手や社員らの給与を支払えなくなる恐れもあるとか。
 クラブライセンス制度では、2012年度から3期連続の赤字、もしくは2014年度の決算で債務超過状態だとリーグ退会処分となり、Jリーグ側は9月に福岡に対してクラブライセンスの交付時、経営改善の個別通知をしているとか。J2福岡は'96年にJリーグに昇格し、'06年と'11年にJ1昇格を果たしたが、ともに1年でJ2に降格。今日現在のJ2順位は15位。
 Jリーグ側は「現経営陣に頑張ってもらい、今シーズン末までを乗り切ってもらうしかない」と経営努力を求め、静観する姿勢。「一度給与の未払いが起きたというだけで、クラブライセンスが剥奪されることはなく、資金ショートの報告は受けていない」とコメント。

【クラブの会見内容の要旨】
「クラブの経営状況については、予測を下回る収益により極めて厳しい状況。昨年度の赤字につづき、今年度も赤字見込。資金調達と業績回復に向けて、特に、この数ヶ月全力で取り組んできたが、このような状況に陥ってしまっている事で経営責任を十分に痛感。アビスパ福岡を存続させることが一番重要と考え、「この街にJリーグをこれからも!」という強い思いを持っている全従業員と一緒に、引続き、収支改善へ向けて全力で取り組む」
J2福岡公式HP該当ページ:http://www.avispa.co.jp/index_box/info/info_201310_04.html

 そして、会見後の20日のホーム戦の試合前に、クラブはサポーター向けの説明会を開催。説明会には、約100人が参加し、「頼る経営ではアビスパに未来はない!!」という内容の横断幕もあり、「まずはお金を集めることに全力を注ぎたい」と説明した経営陣に対して、サポーターからは「具体案が見えない」と手厳しい声が飛んだとか。
 小学生を公式戦に無料招待する名目で協賛を募る「アビスパKidsパートナー」(法人1口1万円、個人1口5,000円)には、603口(約310万円分)の加入申し込みがあるなど、支援に協力するサポーターの姿が目立ったとか。「Kidsパートナー」には日々支援が集まっており、この日までに計約1,350万円が集まったとか。
 この事業は「基本理念のもと、これまでも多くの地域貢献活動を実施してきたが、本事業は将来を担う小学生の皆さんを対象としたイベント運営やプロサッカーのプレーをLIVEで観戦できる機会を創る招待観戦事業等、地域の活性化に繋げる活動」という内容だそうです。
 試合後には選手らが、一人ずつ文字を書いたシャツを着て「愛するアビスパを共にいつまでも オレ達はピッチで結果を」とサポーターにメッセージを送り、主将の岡田が「僕たちと最後まで戦ってください」と呼びかけたようです。
 クラブは福岡県サッカー協会にこの事業への協力を依頼。県協会は、「アビスパ福岡が資金面で最大の危機に面しております。11月30日までに5,000万円の運転資金が準備できなければ、お金の流れが滞り、最悪の結果を招くことになります」などという内容の文書を県協会所属の約700チームに送付したそうです。
J2福岡公式HP「アビスパKidsパートナー」ページ:http://www.avispa.co.jp/kids/

 地元財界では、福岡商工会議所の末吉会頭(コカ・コーラウエスト会長)が、「(正式な支援要請は受けていないが)アビスパが協賛金をあてに経営していくのは無理だと思う。福岡の企業はこれまで協賛金などで応援してきたが、企業にはそれぞれの事情がある」とコメント。企業の支援は難しいとの認識。その一方で、クラブについては地域貢献について一定の評価もしている様子。
 大塚社長は「5,000万円はクリアしないといけない壁。経営責任を感じているが、逃げるのではなく、何かをしないといけない。最悪の場合は、Jリーグから借金して、勝ち点マイナス10となることを覚悟している。厳しい事実を知ってもらうことで、パワーに変えるしかない」とコメント。

 経営危機についてネットを観ていたら、今回の福岡さんの経営危機について、「倒産危機の理由」として財務の面から丁寧に解説しているサイトがありました。主催者がよくわからないのですが、とてもよくわかる内容です。興味がある読者の方はぜひ読んでみて下さい。
「粉飾決算 脱税と倒産」該当記事:http://funshoku.blogspot.jp/2013/10/avispa-fukuoka-tousan-kiki-riyu.html

 まず、かつて誘致したチームという事で、地域としての責任も共有されていると思います。広報ブログを久しぶりに拝見しました。ペースとしては週に2~3回。月1回とかに比べたら全然いいのではないでしょうか。しっかり情報開示・公開されていると思います。
 よくこちらで話が出るのが、プロ野球が特に盛んな地域のJクラブは気の毒と。日ハムがあるJ2札幌しかり、ソフトバンクがある福岡しかりと。また、福岡にはbjチームもあって競合度は高い。九州はJクラブも数多くひしめき合い、そうでなくても九州にある大手企業のスポンサードの取り合い状態です。「①他のプロスポーツとの競合」「②スタジアムへのアクセス」「③ホームタウンの人口」の3つは、昔から当ブログで口にするJクラブの環境面の要素です。そういう面では、福岡さんは③は〇でも②は△、①は×という事ですか。頑張って欲しいですね。
 また、財界のコメントにある「企業の事情」というのが、他スポーツへのスポンサードもあるのかと思ってみたり、でも「地域に貢献に一定の評価」の部分を見ると、やはり地元財界が本当に求めているのは「勝利」よりも「地域貢献」なのかなと。「サッカーで勝てばいいんだ」という価値観はここでも打ち砕かれています。
J2福岡関連⑫:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130819
  〃     ⑪:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20120821
  〃     ⑩:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20110915
  〃     ⑨:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20110812
  〃     ⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090416
  〃     ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20070907
  〃     ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060319
  〃     ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060207
  〃     ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060118
  〃     ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20051226
  〃     ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20051014

  〃     ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20050929 

 話は変わり、今度は明るい話題です。当方も含めて岡山県民には思わず顔が綻ぶニュースです。日本代表のザック監督が元岡山の川又選手を視察するそうです。個人的には川又選手の初召集は早くてもW杯後かなと思っていましたが、実現したらすごいですね。「Jリーグでシーズンの最初から調子がいいようだ。調子がいい選手のうちの1人と考えている」とコメントしているようです。川又選手は今季のシュート数48本で、3本に1本以上の割合のゴールという決定力の高さでゴール。親しみやすい性格で、初招集でいきなり合流してもすぐに打ち解けられるメリットもあると報道されています。明日は忙しくなりそうです。

コメント
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