片貝孝夫の IT最前線 (Biz/Browserの普及をめざして)

Biz/Browserの黎明期からかかわって来ました。Bizを通じて日常を語ります。

寺垣スピーカーについて

2007年03月21日 | 感動したこと
村瀬さん。寺垣さんと3.5時間も議論をされた方。スピーカーやプレーヤー、アンプアドを丹念に観察された方。その方からコメントをいただいたので、ほんの一部分紹介する。
「 つまり、寺垣スピーカのどこを見ても「不思議系」の部分はありません。
いわゆる「ダイナミック型スピーカの一種」以外のなにものでもないと思います。
そのように見ることこそ、寺垣スピーカを正しく評価するために最も大切な
ことだと思います。不思議系ではない「通常の平面スピーカ」として捉えてほしいと思います。」
これは、私がこの記事を紹介したときのコメントでした。村瀬さん、ぜひコメントお願いします。

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4 コメント

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私の感想 (片貝孝夫)
2012-06-13 07:53:28
私はチェロをたしなみます。
チェロなどの弦楽器には表板と裏板にテンションをかけるために魂柱という突っ張り棒を使います。
http://www.violinshop.co.jp/MN/anima.html
寺垣さんがオルゴールの音を大きくするのに紙を曲げてます。
どうも弦楽器の原理で鳴っているのではないかと思うのですがいかがでしょうか。
こちらも参考になさってください。
http://www.sasakivn.com/werkstatt/report/stegbebe.htm

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Unknown (うぃき)
2009-01-27 15:12:48
>>児玉さん
鋭いご指摘で感心してしまいました。
確かに村瀬さんの書き込み(ここでは語られていないものがあれば別なのですが)は構造からの考察にはなってますが、音について触れていないのはちょっと本末転倒な気がしますね。

寺垣さんの公式ページでも「不思議な音の原因はわからないが、説明のために『波動』『物質波』という言葉を使った」と書かれてました。
工学的な現象の解明が楽しみです。

⇒寺垣武公式ページ
http://www.teragaki-takeshi.jp
⇒Teragaki-Labo
http://www.teragaki-labo.co.jp
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寺垣スピーカー (児玉)
2009-01-21 03:28:45
>>村瀬さん
こんにちは
寺垣スピーカー「TERRA-SP3000」が発売とのニュースリリースを見て検索でこちらにたどり着きました。

非常に興味深く読ませて頂きました。

>>「湾曲バルサ板を振動板にした多点駆動ダイナミック型背面解放スピーカ」
なるほど、とうなずけます。
つまり寺垣スピーカーは「ダイナミックスピーカーのコーン紙の部分が硬い材質になったスピーカー」と言うことですね。

村瀬様のご主張は「構造は従来から同型のスピーカーがあるから、不思議系理論を使わなくても説明できる」とのことですね。

ただ、一点気になるのは「音からの説明になっていない点」です。

ネットの情報をみると、事実かわかりませんが、寺垣スピーカーは「360度に同質の音が聞こえる」「エンクロージャーで覆わなくても(前後の位相が混じらない)重低音が出る」など音の特徴があるみたいですね。

これは明らかに既存のダイナミックスピーカーではない特徴です。

「構造は従来と似たようなのものだから不思議ではない」と言うことよりも、「実際に聞こえる、従来にない音の原理について」の考察を伺いたかったです。

形が似ている"ESPRITのAPMシリーズ"が同種の音なら納得が行くのですが。

読むと「従来の考え方では構造は従来通りです」としか読み取れなかったのが残念です。
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不思議系スピーカ? (村瀬康治)
2007-03-21 15:12:27
片貝さんこんにちは。
近所の公園の辛夷(こぶし)の花が咲き、遠くから見ると木全体を白く塗ったようです。
それでは少し寺垣スピーカについての所見をお話ししたいと思います。
ブログではもっとも忌み嫌われる長文になり、ごめんなさい。

スピーカの主観的な音質評価は、100人居れば100の、それも酷評から絶賛まで様々な意見が出るものです。スピーカの開発は、約100年前のラジオ放送の実験が始まって以来今日まで、ありとあらゆる方式やアイデアが試みられてきました。しかしスピーカシステムの原理や構造の基本形は、そう多くあるわけではありません。
思いつくまま挙げると、磁石と鉄片のマグネチック型、磁石とコイルのダイナミック型、それらの一種であるリボン型、そのリボン型の変形ともいえるマグネパン型(MAGNEPANという米メーカーの製品に使われている構造)、磁石を使わず電荷の吸引・反発力を利用した静電型、極めつけは空気の分子を電離させ、イオン化した空気分子を電位で直接駆動するイオン型(つまり振動板はない。実際に高音用の製品がある)、さらにこれら諸々の基本形の変形や組み合わせなど先人達の情熱には驚かされます。(余談ですが、圧縮空気の流れを音声信号でコントロールするものもあったそうです)

さて寺垣スピーカに関しては、見て、触って、音を聞いて、不思議系理論を導入しなくても、私なりの解釈が可能でした。
寺垣スピーカは、いわば「湾曲バルサ板を振動板にした多点駆動ダイナミック型背面解放スピーカ」と言えばよいでしょう。寺垣スピーカの基本構造も先人が試みた中の一つであり、ノーマルな形のスピーカであると思います。
構造的に近いものでは、1980年代初期のオーディオ産業が盛んであった頃、ソニーが開発した力作、ESPRITのAPMシリーズのスピーカ(いまでも根強いファンがいる)の低域ユニットがあります。最上位機種はAPM-8だと思いますが、ここらへんをキーワードにして検索すると、その低域ユニットの構造が分かる写真をいくつか見ることができます。
ソニーはバルサ板ではなく、強靭なハニカム材をアルミの薄板で挟んだ平面振動版です。振動版を平面にすることが大目的であり、平面でもペラペラしないようにハニカム構造で剛構造にしたわけです。寺垣スピーカはバルサ板を湾曲させ、かつ多少の補強材を入れて剛構造にしています。
またソニーの場合は4点駆動です。寺垣スピーカは7点駆動でしたね。
ソニーはこのユニットを箱に組み込みましたが、寺垣スピーカは背面解放8の字放射パターンです。
この比較でも分かるように、過去多くの先人達が取り組んだものの原理・構造から外れるものではなく、それらの基本に寺垣先生ならではの工夫を加えたものが寺垣スピーカであると思います。
寺垣スピーカについての私見をお話ししましたが、これもひとえに、まじめに作った寺垣スピーカが、不思議系の扱いをされるのはとても残念に思うからです。

かなり長くなりましたが、事のついでに「湾曲」についての私の考えです。
紙や板を湾曲させて振動を与えると音が大きくなるのは、一般のスピーカの振動板が「コーン形(三角錐)」や「朝顔形」をしているのと同じ理由だと思います。ペラペラの状態では構造的な強度が出ないためです。たとえば便箋の紙を指で挟んで立てても立たないけれど、2つ折にして「L字型」にしたり、湾曲させたり円筒にすれば立ちますね。そのような剛構造にして、振動版の全体(全面)が同じように動くようにしているわけです。前記ソニーのハニカム板も同じですね。
1秒間に何千回も「点駆動」で空気を押したり引いたりするのは、空気の激しい抵抗に打ち勝つ軽量かつ強靭な剛構造の振動版が必要です。つまりペラペラの板の一部を振動させても十分には空気を押し引きできない、という簡単な理屈です。
私はこのように単純な現象であると思いますが、「板にテンション(応力)をかけることによる未知の現象が存在する」件に関しては、私にも未知の話であり判断ができません。今後の研究により、オーディオ史に残る画期的な理論が構築できるとうれしいですね。

長々とすみませんでした。
片貝さん、教えていただいたミネハハCDの件ですが、5枚ほど購入しました。「仰げば尊し」など感涙ものですね。バックの小型オルガンの音が、再生装置のグレード゛によって様々に聞こえます。
日比谷音楽堂でのミネハハコンサートには出かける予定です。

村瀬康治
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