モノ・語り

現代のクラフトの作り手と作品を主役とするライフストーリーを綴ります。

「おもてなし」をテーマにした展覧会2題

2010年11月28日 | 展覧会・イベント
「日本文化のエッセンスとしてのおもてなし」に欠かせない要件を、
衣食住の各分野にわたってあげるとすると、
住における「床の間」、衣における「きもの」であり、
その伝でいくと、食においては「膳一式」ということになると思います。
一家の「心」が床の間に置かれて、その床の間のある部屋に客を招き、
心を尽くした「ご馳走」を「膳一式」に盛ってふるまうということが
「おもてなし」の基本ということです。
「きもの」はいわば心身を自然体に置くことと、
床の間や膳一式と人間との調和をはかるために求められる衣裳であるわけです。


この三つの要件に共通するのは、「取り合わせの美」ということです。
その「取り合わせ」の中で個々の器物がそれぞれの存在感を主張しながら、
同時に「一座建立」を志していくというところに「おもてなし」イベントの正体があります。
そしてこの「取り合わせの美」を実践的に体現していくことが
日本文化の本質にふれていくことになるのではないかと考えます。


こういった基本的な構想の下で、明年お正月に展覧会を開きます。
タイトルは「軸のススメ」展――絵画を中心に」というのと、
「自分へのおもてなし」展――わん一式を中心に」というものです。
前者では井上まさじさんの絵画を中心に、「膳一式」の前触れとしての「わん一式」、
後者では「わん一式」を中心にしての展示です。


[催事内容]〈おもてなしは日本文化のエッセンス〉シリーズ(1)
(1) 「軸のススメ」展 (仮称)――絵画を中心に (同時展示:「わん一式」)
会場/可喜庵(町田市鶴川、鈴木工務店内)  会期/2011年1月14日(金)~17日(月)
[さろん]パーティとトーキング「取合せの美3題――床の間・わん一式・衣裳」
    1月15日(土)P.M.3:30~5:30
(2) 「自分へのおもてなし――わん一式を中心に」展
   会場/ギャラリー瑞玉(東京都板橋区) 会期/2011年1月26日(水)~29日(土)
   北大路魯山人の掛け軸、角緯三郎の書作による屏風を展示します。

詳細は下記サイトをご覧ください。
http://homepage2.nifty.com/katachi/news/exhibitionomotenashi.html




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