広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

特別養護老人ホーム ~ 『黒字』は悪いことなのか?

2014-07-25 23:26:13 | 日記
昨日の厚生労働省・社会保障審議会の介護給付費分科会(第104回)では、次回の介護報酬改定である平成27年度に向けた主要論点とそれを検討するに当たって参酌すべきデータや経緯が提示された。中重度者のための特養などに関しては資料1に、有料老人ホームやケアハウスなどに関しては資料2に、それぞれ主要論点や関係するデータ・経緯が書かれている。

昨日の日本経済新聞ネット記事など各紙報道では、社会福祉法人が経営する特別養護老人ホームの内部留保に焦点を当てている論調が多いが、資料1・資料2にあるように同分科会でのテーマはいわゆる特養内部留保問題だけではない。

特養内部留保問題については、資料3で掲げられた一連のデータや経緯を参照されたい。資料1ではあからさまに特養内部留保問題を取り上げているようには見えない。だが、厚労省事務当局がわざわざ資料3を提示しているということは、それなりの意味があると考えるべきだ。

特養の内部留保に関しては、介護人材確保の観点から介護報酬引上げ原資として転用すべきとの考え方は多分にある。介護人件費が全産業平均の2/3程度の水準であることは統計上明らかになっているので、公的資金の追加投入による介護報酬引上げを検討する前に、介護産業界内で所要資金を捻出すべきとの指摘が出るのは当然。

しかし、現存する特養内部留保を全て現金化して特養職員に還元することになっても、それ自体には持続性はなく瞬間で枯渇する。特養は税制優遇措置のある社会福祉法人が運営している。制約条件はあるにせよ、株式会社やNPOに比べて資金的には相当の余裕が発生する仕組みだ。現にそうなっている。

社会福祉法人改革も重要ではあろうが、より本質的な課題は介護職員の処遇改善・向上である。せめて全産業平均の賃金水準を目指していくべきだ。これは特養内部留保問題を解決するだけでは到底追い付かない。以前からこのブログでも何回も書いてきたことだが、社会福祉法人、株式会社、NPOなど事業形態にかかわらず、介護職への資金循環量を増やす制度に改正していくべきだ。

それは即ち、介護サービス事業を『普通の黒字経営』にするための制度改正が必要だということに他ならない。



<資料1>

(出所:厚生労働省資料


<資料2>

(出所:厚生労働省資料


<資料3>

(出所:厚生労働省資料
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« <まだまだ多い家族・親族に... | トップ | 『介護はプロ任せ』が当たり... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事