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中小企業の生産性向上

2021-02-13 12:00:00 | 20期生のブログリレー

みなさん、こんにちは!稼プロ20期生の大野徹司です。

2020年、中小企業庁は「中小M&Aガイドライン」を発表し、第3者への事業承継を推進する方針を打ち出しました。
この方針の根幹は、小西美術工藝社社長であるデービッド・アトキンソン氏の分析を基にしているといわれています。
彼は、オックスフォード大学で日本学を専攻し、ゴールドマン・サックス時代には、
日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせました。
退職後も日本経済の研究を続けながら、経済再生に関する数々の提言をしています。

今回の方針転換を図ったガイドラインでは、中小企業に対し大きな変革を促す内容となり、
私としては少し「過激」な印象ををもちました。
少し興味をもちましたので、調べてみることにします。

まず、以下にデービッド・アトキンソン氏の主な主張を列挙します。

・企業は小さすぎると生産性が低い(適正規模が必要)
・日本は、適正規模以下の中小企業数が多い
・中小企業の生産性の低さは向上の余地が大きい
・中小企業数の割合が多いため、中小の生産性が上がれば日本全体の生産性もあがる。
・中小の労働人口を減らす主張ではない。

次に、ポイントとなる考え方が2つありましたので紹介します。

1.適正規模
彼は「最先端技術を使うのにも、女性活躍を進めるのにも、企業にはそれらを実現するのに
ふさわしい適正な規模があるのではないか」と仮説を立てました。
そして、「日本の多くの中小企業は、生産性向上を実現するのに求められる適正な規模よりもはるかに小さい」
という結論を導きだしています。適正規模が生産性の向上を保証するものではないが、
生産性向上に欠かせない必要条件ともいいます。
この仮説と結論については、今後もう少し勉強したいと思います。

2.生産性と効率化の違い
従来の日本は、効率化を進めてきました。効率化とは、同じ仕事をしながら(同じ付加価値を創出しながら)、
どこまで人を減らせるかと考えることです。
彼の主張はそれとは異なり、同じ数の労働者が生み出す付加価値をどこまで増やせるか、という考え方です。
生産性=労働生産性×労働参加率と主張し、労働者の数を減らさないことが前提になっています。

(うーん、正しそうに思えるけど、批判も多いみたいだな‥‥。)

さて、彼の主張が正しいかどうかは別として、ここ10年中小企業の生産性が向上していないのは確かです。
その点でいえば、新しい「中小M&A」の世界に踏み入り、大いなる課題に挑む必要がありそうです。

一方、我々診断士の視点からみれば、「適正規模になり生産性が高い企業のサポート」ができる高度な人材が求められます。
ひょっとすると、大企業で専門業務に取り組みながら、副業として中小企業に専門知識やノウハウを伝える、
このようなスタイルが日本全体の生産性向上に最も寄与するのではないかと、ふと思いました。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

 

コメント (1)
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