曲突徒薪(きょくとつとしん)
――災害を予防すること。曲突は曲がっている煙突。 徒は移す。徒薪は薪(まき)を煙突のそばから離れたところへ移すこと。火災を未然に防ぐ用心――を言います。
この時期、関心はどうしても「原発事故」に向かいます。
この23日「原子力安全委員会」が、再稼働を目指す大飯原発3,4号機の安全評価(ストレステスト)の1次評価を「問題なし」としたとの報道がありました。
これで直ぐにとは行かないまでも、再稼働に向けて首相等の政治的な安全確認に手続きが進むことになるようです。
福島原発の事故以降、いままでの原発にかかわる「官庁(保安委、安全委など)識者を中心とした組織、政府、電力会社」などがいかに好い加減なものであったかが晒されてきました。
にもかかわらず、彼らは福島原発事故の最終検証が道半ばの昨今「電力不足!」という言葉を人質にして「原発政策の推進」を変えようとしません。
大地震などの災害による原発事故の被害をさておいても、通常の原発稼働から発生する「ぼう大な核廃棄物」の処理をどうするのか?世界的に究極的な解決策は見つかっていません。
たぶん、けっきょく「地下深く埋める」以外にないのでしょうが、使用済み核燃料などから
『放射能が消える年月は10万年、それ以上の歳月を要する』
とのことです。
10万年という長い年月の間、はたして地球そのものが存在するかどうかはわかりませんが、仮に存在するとしてもその時代に生きる地球人は、過去の地球人が残した「放射能の汚染」に悩まされ、手こずることに違いありません。
いま地球に住む人々の「わずかな欲望」のために、はるかな後世に生存しようとする人々(生物)を困らせることは「いま止めるべき」かと思います。
でなければ「核廃棄物(放射能)の完全処理」の手段をいますぐ示して欲しいものですが・・・せめてこの国での、自然エネルギーへの政策転換は、いまを置いて永遠に訪れないように思います。
曲がった煙突を直し、火のそばから薪を移動させる心を、いまこそ取り戻す必要がありましょう。