かるさんのgooブログ <北国たより>

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どうしているんでしょう?ーー在来線を失った地域の人々  

2011-12-18 13:13:00 | インポート
北へ向かって延伸中の新幹線が、とうとう本州最北端の青森まで到達しました。

その新幹線、「青函トンネル」を通って函館まで来ることは決まっていて、一部ですでに工事が始まっています。
いま、函館から札幌までの延伸が決定するかどうかの切所にきているところです。

既存の新幹線の建設過程において、どこの地域でも在来線の切り離し(JR→三セクなど)もしくは廃止が根本的な政策となっています。(東海道線、山陽本線などは除いて)

ご多分に漏れずJR北海道は新幹線延伸決定の条件として、函館~小樽間(253㎞)の平行在来線をJRから経営分離させるべく、道庁を窓口にして15の地元自治体に同意を迫っています。

今日現在、14町村が泣く泣く賛意を表しましたが、肝心の函館市が渋っているようです。
ですが、函館市の陥落も時間の問題でしょう。

「地域の発展」を大命題として、各地の都市が先頭になって誘致に奔走しました。
建設に要する莫大な地域負担金もものともせず、在来線の廃止や赤字路線の受け入れの苦悩も放り投げて新幹線の到着を待ちわびたのです。

その誘致の過程で、強烈に誘致の反対を主張した一部の自治体は、その後県などから「村八分」の状況に追い込まれたような話も伝わってきます。

新幹線を輸送の手段としてのみ考えたとき、その恩恵を被るのは大都市を往来する人々のみに限定されます。(もちろん一時的に観光客は増えるでしょうが・・・)

その陰で、沿線に住まう多くの人々の日常生活が壊されています。
通勤通学の足の確保が困難になり、病気の通院にも支障を来しています。

地域の過疎化を防ぐ政策を必死に模索する一方で、日常の交通手段を奪うことで更なる過疎化を容認するこの矛盾・・・
いま、新幹線が通った後の沿線の弱小自治体の苦難の声を聴くことができません。

政治も報道も新幹線の「功」のみを大きく伝えるだけで、「罪」の部分に目をつぶっているように思われます。
阻害された弱小自治体の住民の生の声を、いま聞きたいと切に思うところです。

photo by karusan from OCNフォトフレンド
<新幹線基地・借用画像>