かるさんのgooブログ <北国たより>

身近な話題を画像といっしょに・・・

『群来がきたあ~!!』―明るい話題です 

2004-02-26 22:18:00 | インポート
ゴメガ鳴くから ニシンが来ると
赤いつッポの やン衆がさわぐ
雪にうもれた 番屋の隅で
わたしゃ 夜通しめしを炊く

あれからニシンは どこへ行ったやら
破れた網は といさし網か
今じゃ浜辺で オンボロロオンボロボロロ

沖を通るは 笠戸丸
わたしゃ涙で ニシン曇りの 空をみる


ご存じ、北原ミレイの「石狩挽歌」です。作詞は「なかにしれい」、作曲は「浜圭介」です。
この歌一曲で「北原ミレイ」は歌手として認められ、「なかにしれい」も不動の位置を築きました。
歌詞と言い、曲と言い、北国のさびれた浜辺の情景をみごとに表現しております。

このところ、この雑記帳「暗く重い話し」の連続でした。贔屓にしていただいた「cafe仲間」も愛想をつかしたのでは・・・と、いささか心配になってきたところです。
表題を「明るい話題・・・」としたにもかかわらず、またまたなんとも暗い歌を照会していますが、まあ~お読みください。

今日は「・・・どこへ行ったやら」と唄われた『ニシンが戻って来たあ~~!!』という話しです。

ここ数年来、道内の日本海沿岸(特に留萌方面)で、わずかながらニシンが戻りつつあると報じられてきました。
《ニシン、にしん、鰊、鯡、かど、青魚、春告魚》などと書かれます。[春告魚]のとおり早春に漁獲されますが、北国ではこの季節は「厳冬」そのものの時期です。だいたい五月中旬頃までが漁期とのこと。

そのニシンが、今年は久々の「豊漁」で浜が沸いているようです。(もちろん昭和初期頃までの、年間90万トンほどの漁獲量とは比較になりませんが・・・)

この二月初旬、羽幌町の焼尻島では「親魚の大群」が押し寄せ、雄の精子で海底が白濁する【群来・クキ】が見られたようです。漁師さんにとってこの【群来・クキ】という言葉ほど響きのいいものはないようです。身震いがするほどだそうです。

留萌から南へ約20キロ下がった「増毛漁港」では、作シーズン全体で2トンほどの漁獲量だったが、今年はこの時期すでに80倍の「170トン」の漁獲があったとのことです。この調子で五月まで行ったら・・・と、漁師さんはえびす顔のようです。

おかげで、スーパーの店頭で並ぶニシンの値段も、雄一匹150円ほど、雌が220円~250円。昨年と比べて3~4割安いそうです。
永年、北欧かカナダから輸入された「ニシンや数の子」に頼っていた私たちの食卓です。

これを契機に道立水産試験場などの増殖事業が功を奏し、「どの浜にも、年毎に【群来】が」訪れ、「純北海道産」のニシンがふんだんに食べられることを願って止みません。