かるさんのgooブログ <北国たより>

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三つの鬼の話し――です(Ⅲ)

2004-02-02 02:09:00 | インポート
三つ目のそれは、あまり書くことへの気乗りがしないのですが・・・

(その三)『きしわだの鬼』

毎日の新聞やTVの情報の中で「殺人」とか「放火」とか、むごたらしい事件が報じられない日はありません。
これでもか、これでもかと続くこれらの事件に、受け取る側の私たちの方もいささか「麻痺状態の感覚」が生じてきています。

そんな、麻痺感覚を覚えながらも、先日の25~26日頃に報じられた「岸和田、中三男児虐待事件」には強烈なショックを受けました。
すでに連日の報道でみなさんその内容をご存知でしょうから、ここで云々することもありません。

残虐な事件が報じられるたびに思います。
容疑者(犯人)は「どういう精神構造になったら、そんな惨いことができるのか?」と。

たぶん、実行犯にも「そのときの言い分」はあるかと思います。
ですが、普通の、たいていの人間は、人を惨い目に合わすことへの「恐怖とためらい」が生ずるはずです。
平然と人間の命を奪い、その後も何食わぬ顔で生活する、その感覚がどんなものなのか?一度
説明してもらいたい・・・と思ったりするのです。

まことに不謹慎な言い方です。「いっそ一思いに殺した方が・・・」と思わずうめきたくなるような「岸和田の事件」です。

飲ませず、喰わせず、与えるのは惨い暴力だけ。身動きもならない実の子を「隣の部屋に放置する」・・・。
平時にこんな行為を平気でできる「人間の不思議さ」を、どうにも納得することができません。

「鬼畜にも劣る」などと言葉を使います。
このたびの「きしわだの鬼」と比較するならば、角を生やした物語上の「赤鬼、青鬼」などは、まるで子供のように「可愛い鬼」に思えてしかたありません。

それにしても、この事件で最も恐ろしい「鬼」は、多少なりとも様子を知りながら「見て見ぬふり」をしていた私達「無数の小鬼」ではないか・・・と痛切に思うのですが。



三つの鬼のはなし――です(Ⅱ)

2004-02-02 02:08:00 | インポート
どうも長くなりがちです。お忙しい人はパスしてください。

(その二)『世間の鬼』

毎度おなじみの朝日新聞の記事からです。
1月31日の朝刊beページに「あなたのまわりに(鬼)はいますか?」という、お遊び的アンケートの結果が載っていました。これも「節分」を意識した記事でしょう。ごらんになった方も多いでしょうが、ちょっと紹介してみます。

※質問「あなたのまわりに(鬼)はいますか?
―回答ー回答者数3300人(男43%、女57%)
――――いない59%、いる41%

※どうしていないのでしょうか?(複数回答、上位6つ)
――人間関係が希薄化・・・・・・・・904人
――口出しはいざこざのもと・・・・・742人
――個人主義がまん延・・・・・・・・736人
――意味ある助言が少ない・・・・・・671人
――情熱家が減った・・・・・・・・・599人
――年配者への尊敬の念が薄れた・・・423人

※いるとしたらだれですか?(複数回答、上位7つ)
――勤め先の経営者や上司・・・・・・269人
――妻・・・・・・・・・・・・・・・195人
――母・・・・・・・・・・・・・・・181人
――近所の人・・・・・・・・・・・・129人
――夫・・・・・・・・・・・・・・・121人
――勤め先の同僚・・・・・・・・・・117人
――父・・・・・・・・・・・・・・・114人

※どんなところが「鬼」?(複数回答、上位6つ)
――よく怒る・・・・・・・・・・・・451人
――言い難いことも言ってくれる・・・347人
――威張っている・・・・・・・・・・338人
――悪い点ばかり指摘される・・・・・334人
――欠点を鋭く見抜かれる・・・・・・333人
――無理難題を言う・・・・・・・・・300人

※社会に「鬼」は必要ですか?
――必要・・・・・・・・・60%
――不要・・・・・・・・・11%
――どちらともいえない・・29%

以上がアンケートの回答の数字的部分です。
解説記事によれば「鬼がいる派」のその鬼は、あまり良い意味でのそれでは無いようです。
逆に「鬼はいない派」が言う鬼は、尊敬に値する「鬼」を指しているようです。

これを見て言えることは、「周囲との摩擦を避ける社会化」が進み、「事なかれ主義で、いい意味での(鬼)が減った」というのが、このアンケートの結果だろうと・・・自分は解釈しました。

――渡る世間の鬼は減る――でしょうか。