この本はとても面白い!
「笑えて感動する」科学論文がたくさん紹介されている。
私たちが日頃感じている疑問や、そんな気がするけど何故だか説明できないことに、科学的にアプローチしている人たちがいるのだ。
一見「アホっぽい」と思うようなことを大真面目に研究し論文を書いて、そしてその論文が権威ある学術誌に掲載されているんだから。
ナンパの成功率と天気の関係を科学的に明らかにした論文や、人のあくびは犬にもうつるのか、鏡を見たイカのリアクション、夢の中でほっぺをつねっても痛くないのか、何色の服を着たらモテるのか・・・などなど。
キスをする時、顔を右に傾けるか左に傾けるか、これだけを調べた論文がある。
3分の2の人は右、3分の1は左に傾ける事がわかった。
これは利き手には関係ないらしい。
そして、なんと、この論文は、あの「ネイチャー」に掲載されたという!
なんか楽しくなってくる。
そしてそして、誰もが知っているあの「サブリミナル効果」についてのあきれた真実も!
鳩はモネとピカソの絵を区別できるのかという研究に生涯をささげている研究者もいる。
なんと愛すべき人たち!
とにかく楽しくて、最後まで一気に読んでしまった。
しかし、笑える話ばかりではない。
巨人軍のエースだった桑田真澄投手にまつわる「桑田ロード」なる美談に対する著者のまっとうな疑問には大いに共感した。
日本人は美談が好きだ。
マスコミの情報操作と、それに対して思考停止になりがちな日本人の危うさは、私も常々感じていたことなので。