空手道へっぽこ稽古日誌 An ordinary person's karate practice diary

いい歳こいて空手を学ぶおっさんの備忘録。
23年7月2日に二段になりました。
まだ続けるのこれ?

新・野球を学問する (新潮文庫) [文庫]

2018年09月09日 | 【紹介】書籍
新・野球を学問する (新潮文庫) [文庫]
桑田 真澄 (著), 平田 竹男 (著)
文庫: 283ページ
出版社: 新潮社 (2013/2/28)
言語: 日本語
ISBN-10: 4101368910
ISBN-13: 978-4101368917
発売日: 2013/2/28


知性派の大エース桑田真澄が「学問」という武器を得た!
早稲田大学大学院の指導教授との対話を通じて、
科学的根拠に基づく野球指導の重要性を説く一方、
自身のMLB経験とイチロー、松井、松坂らの
豊富な人脈から得た知見から、日本野球が世界で
勝ち残るための秘策を明かす。
また、スポーツビジネスの最新情勢にも言及、
球界復権への決意を示す。
『野球を学問する』改題。




購入したのは、2014年04月16日。

もう4年も前になるか。

出版から1年にもならない本だが、古本屋で税込み108円で入手。

てか、いい買い物したわ。
なんせいまでも時々読むし。

本書は、書籍の紹介文にある通りの内容だが、
著者の二人から「これからの若いひと」へ向けての言葉が多く、
その点をこの本を推す理由として、特に上げておきたい。



桑田真澄さん、一時期、甲野善紀さんの古武術研究から得た指導を
受けていたわけだが、この人ならうなづける。

 甲野善紀さんについては、売名的に指導を受ける人間、
 受けたが「あれは偽物だ」的なことを吹聴する人間が後を絶たないが、
 指導をうけてよかったとハッピーになっている人たちの方が多いのだから、
 指導を受けて、成果や喜びを享受できなかったほうが単に不幸なだけだろう。

世間的には、「常識を疑う」というと斜め上から穿つように見ると、
そういういう印象があって、あまりよろしくないイメージなのだが、
大概の場合、疑うふりで「蘊蓄のひけらかし」をやらかして嫌われてるだけだったり、
一家言ありな風で、なんでもかんでもいちゃもんつけるので、嫌われてるだけだったりする。

実際には「常識を疑う」には。冷静な観察と丹念な調査・考察が必要なので、
疑うためにかかるコストは実は相応なものになる。

その労力を考えるなら、いまある常識とその範疇にとどまっている方がよほど楽だ。

桑田真澄さんの場合は、常識を疑うから「成功した」のではなく、
小さな成功を常識を疑うことで得たその体験を
生かし続け、磨き続けて、
大きな足跡を残し、今に至るということなのだろう。

これは、海外の優れたスポーツ指導者にも、総じて共通することだ。



昨今、日本のスポーツの現場、日本〇〇協会が毎年のように不祥事を起こしている。

パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、不当な斡旋、収賄や搾取。

「過去の経験によれば」「実績に基づいて」などとうそぶき、
その競技社会でしか通用しない「過去と経緯」「常識」を、
長年慣習・慣例としてきたものが、2020年のオリンピック開催を
前に「それおかしいだろ?常識として考えておかしいだろ」と、
連日のように報道される。

長い間、一意専心・上意下達を日本の常識かつ日本人の美徳としてきたが、
あまりに長い間唱えすぎて、玉石混淆どころか、ぶらさがる砂利の方が、
圧倒的に増えていたというところなんだろうな。