か ら け ん


ずっと走り続けてきました。一休みしてまわりを見ます。
そしてまた走ります。

知らないトンネル

2012年05月14日 | 東洋歴史
 福岡県八女市立花町谷川1742に、戦時中、軍の格納庫として使用するために、全長112メートル、幅約4メートルのトンネル が掘られた。トンネルは軍事機密でもあり作業も危険なため女子供を動員したりしていない。陸軍の技術将校が入念な調査をしたのち、軍人軍属を使って突貫工事で掘られた。

112mの全長において、約5メートルおきに両側に枝線が延びている。

トンネルは未完成だと聞いたがそれは誤っている。完成するということはない。勝つまで掘りつづけるんだ。軍需物資秘蔵トンネルとして使いつつさらに掘り進めている。

ツルハシのあとが悲しい。小日本は近代戦をツルハシで戦った。いかに物資と技術がアンバランスであったか。物資。ドリルと電源があれば苦もなくトンネルは貫通していたはずだ。入り口だけ体裁をつけたべトン。

技術。見事なトンネル曲線と、全長の両側をわずかに低くして排水に考慮している芸の細かさ。自然の地形を利用して見事に入口を隠している。しかも50メートルぐらい離れてもう一本トンネルがある。それは村人の通行用の100mほどのトンネルだ。あまりにも目立ちすぎるそのトンネルはダミーの役割をした。二つのトンネルは中央で連結していた。軍はアリの巣のようにトンネルを掘り、火器弾薬の保管を目指していた。

枝線に入ると明らかに掘りかけのあとが見えた。終戦になったんだ。

今はワイン倉庫になっている。2月ごろ観梅会とあわせ、トンネルが開放されにぎわうようだ。

悲しいことにトンネルを正しく説明したものがない。こんなことではいずれ忘れられてしまう。「戦争中飛行機を格納したそうです。」という説明もあった。ばか。幅4メートルのトンネルに飛行機が入るか。

「軍の資材を入れたそうです。」というのもあった。ばか。そんなもん外に置いてカムフラージュすればよい。そんなことのためトンネルを掘るはずなかろうが。

亀の甲、岡山飛行場関連の火器類を保管したんだ。しかし、僕もこれ以上は分からない。知っている人と会うことはできなかった。

アホ八女市、きちんと資料を保存せんか。トンネルの中に竹の灯篭を置いて、ああきれいだと感激する能天気相手に特産品を売るばかりが能ではないぞ。


写真はダミーの方のトンネルです。本物のトンネルの入口は下品な赤レンガに変わり、まさに田舎の醜悪さそのものとなったので載せません。
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Posted at 2012/05/02 10:44:47

 

 

 

 


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