安曇野から

安曇野からよこおかめごろうの友人知人の皆様への通信、地元の状況、大好きな音楽のことなど

カルロス・クライバーの演奏

2008-01-25 00:14:34 | Weblog
 先週上京の折り、いつも行く石丸電機でCDを漁っていると、カルロス・クライバー指揮のCDで掘り出し物を見つけた。それは1986年の日本公演のもの。ベートーヴェンの交響曲4番、7番そしてアンコールにヨハン・シュトラウス2世の喜歌劇「こうもり」の序曲とポルカ「雷鳴と電光」だ。明記はないが、拍手とブラボーの加減からして正に東京での録音だと思う。で、その演奏は?
 テンポは格段に早い。特に4番の4楽章はファゴット奏者とクラリネット奏者がどのように吹くか分からないが、とにかく指が回っている神業。7番も早い。スーパーカーで高速道路を突っ走るような演奏。恐らく現場でこの演奏を聴いていればすごいなあと感心して拍手喝さいになるに違いない。ただ本当に感動して立てなくなるような演奏かどうか…。 
 先週聴いたN響とブロムシュテットさん指揮の演奏は、特に1曲目の「トゥオネラの白鳥」は地味な曲だけど、じーんと来るような後からじわじわ感じるような非常に良い演奏だったと思う。勿論、日とそれぞれなのでなんとも言えないが、この感動を分ける価値をおそらくクオリア(質感)と言うのではないかと思う。どこがどう違って、数値で何対何と言えないところが正にそのクオリアの違いではないかと思います。
 さて、今週末は義父の一周忌の法要になります。1年前の携帯にメールをとってあるのですが、今頃は手術をして残念ながらステージ4で手の施しようがないと先刻された時でした。それから、わずか2週間ほどで他界します。まだまだ楽しみたいことが一杯あったでしょうに…。孫も抱かせてあげられなかった…。一緒に温泉に入って背中も流したかった…。あまり飲めないけど一緒にお酒も飲みたかった…。こちらも楽しみたいとことがありました。やろうと思っていることを先延ばしにはできませんね。