2018年10月28日(日) 2:00pm みなとみらい
ブルックナー 交響曲第9番ニ短調WAB109 (ハース/オーレル版) 26-11-26
(連続演奏)
ブルックナー テ・デウム ハ長調WAB45 24
ソプラノ、山口清子
アルト、清水華澄
テノール、与儀巧
バス、原田圭
合唱、新国立劇場合唱団
上岡敏之 指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団
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AB9 + Te Deum duration
Ⅰ P3-2-4-3-8-0-2-3-C1
Ⅱ 4-3-4
Ⅲ 4-4-6-8-C4
TeDeum 24
前日のサントリー公演に続き、今日は横浜のみなとみらいでの同一プログラム。
2628- ブルックナー9番、テ・デウム、新国立劇場合唱団、上岡敏之、新日フィル、2018.10.27
サントリーではP席を合唱が占め、ほかはほぼ満員の盛況。今日のみなとみらいは同じくP席は合唱、それから3階席を全てクローズ。残りの1,2階席でざっと七八割ほど。この横浜サファイアシリーズはもっともっと宣伝して満員にして欲しい。
連続演奏のタイミングは楽章間ポーズを除き合計で昨日の83分から4分ほど伸びて87分。朝の散歩で調子が良かったのでちょっとポンポンと小走りしたら身体が整ってきた感じ。身体に余裕が出来て、それが、速めに向かわず、よりスローなテンポに向かっていくというのはこの種の音楽ではえてしてありそうなことだ。今日の演奏は昨日に増してコクのあるものでした。弛緩ゼロ。聴くほうは割とリラックス、その上で余裕あるコンセントレーションができた。飽くまでも自然体です。
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演奏は昨日とほぼ同じ。昨日の今日なので深みが出ている。聴くほうの耳にも余裕が出てきているしね。弱音はより強調され、ブラスの強奏は益々レガートモードになり、アタックは実に柔らかい。トラらも不慣れながらも上岡流儀についていく。そうゆうものだろう。
コンマスの激しい同化弾きは全く納得できるものだし、各プリンシパルたちの腕も冴える。チェロなど、実に強靭な弾き具合で魅惑的。
それやこれや、合奏アンサンブルしている雰囲気を直に感じ取れる。余裕の必死弾きには共感するところが多々ある。
一段と彫りが深くなった総体の響きはブルックナーに相応しいもので、この、直進するというよりはどちらかというと横広幅広なニ短調シンフォニーに、立体感を漂わせる。グラデーションも柔らかくてナチュラル。アメリカのスカイスクレーパーとは別の柔らかみのある構築物がしっかりとした底辺に支えられている。そんなところか。
ブルックナー9番とテ・デウムの合わせ技、今日も満喫しました。聴衆の反応も昨日と同様で凄いもの。もはや、作法であって、それを越えた自然体と言ってもいいのかもしれませんね。
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二日間にわたる上岡NJP新国立劇場合唱によるブルックナー9番テ・デウム、オーケストラ作品を聴く醍醐味をたっぷりとエンジョイできました。見事な造形の美しさに惹かれ、たまに出てくる効果的なゲネラル・パウゼは上岡マジック。水を打ったように静まり返る聴衆の反応に手ごたえを感じていたことだろう。わけても、テ・デウムのあとのパーフェクトなロング空白は、ひとつの作品が出来上がる響きの総体を聴衆ともども体現したもの。指揮演奏側、聴き手、作品。三位一体となった姿で極めて感動的なシーンでした。
ブルックナー作品とその演奏に心も身体も浄められました。
ありがとうございました。
おわり