河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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2332- ベトソナ全曲演奏 第3夜、1,4,19,20,23,30,31,32、ヴァリアス・アーティスト、2017.5.4

2017-05-04 21:54:46 | リサイタル

2017年5月4日(木) 6:30-10:00pm 邦楽ホール、石川県立音楽堂

オール・ベートーヴェン・プログラム
ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ 全曲演奏 第3夜

第1番ヘ短調 菊池洋子      5-4-3-5′
第4番変ホ長調 木下由香    6-9-3-7′
第19番ト短調 三浦友理枝    4-4′
第20番ト長調 三浦友理枝    4-4′
第23番ヘ短調 熱情 アンナ・フェドロヴァ  11-7+6′

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第30番ホ長調 アンナ・フェドロヴァ   5-3-12′
第31番変イ長調 鶴見彩       7-2+11′
第32番ハ短調 竹田理琴乃     10+18′


ガル祭2017
ベトソナ三日目、今日は8曲、全員女性ソリストです。

第1番
作品2のうち昨晩の3番と今日の1番を菊池さんが演奏。
この1番もそのまますぐにシンフォニーに編曲できそう。シンフォニックな作品。
菊池さんの方針は3番と同じような色あい。流されることのない演奏でベートーヴェンの堅実さが良く出ている演奏。菊池さんというとモーツァルトを浮かべてしまうが、これら作品はハイドン的な色彩を感じさせるもの。彼女が現在どれだけハイドンやベートーヴェンあたりに取り組んでいるのかわかりませんが、新境地的なところもあるのだろうか。
手ごたえ十分な演奏、古典から炎が少しずつにじみ出てくる。

第4番
初期の作品は4楽章スタイルで規模の大きな作品群。
木下さんの演奏は耽溺するようなところが無くて約25分ほどでエンド。第2楽章は長いものですけれども、祈りのような、沈んでいく音楽。ここは少し長く感じた。
次に長い終楽章が表情豊かでいい流れでしたね。この楽章のメロディアスな居心地良さ、前楽章も同じように流れるメロディーで、これら両楽章の佇まい鮮やかでした。

第19番
コンチェルト3番で素晴らしい演奏をした三浦さんの出番。
短い曲です。フォーエヴァーに弾いていたいような、聴く方もそんな感じ。心地よい音楽が絶え間なく流れていく。素晴らしく躍動する旋律。
HJリムさんのベトソナCD箱には、beethoven complete piano sonata と書いておきながら19番20番は未収録。ご自身の判断によるものでしょうが、なんとももったいない。三浦さんの演奏を聴くとそういう思いがつのります。素敵な演奏でした。

第20番
これも三浦さんの演奏で。19番と同じように心地よい演奏に癒される。

第23番 熱情
フェドロヴァさんの演奏で。1,2楽章は含むものがあるというか、やや思わせぶりなところがある。ちょっと力んでいるのかもしれない。激しい音楽がゴツゴツと鳴る。
終楽章は余計なことを考えながらの演奏はなかなか難しくて、かえってそれが功を奏したようなところもあり、蛇腹のようにつながり流れる熱情、いい演奏でした。

ここまで5曲。前2晩と同じく短い休憩。

後半はベートーヴェンのピアノ・ソナタ大詰めの3曲。大詰めと言えば29番も入るような気もするし、そうすると28番も足を突っ込んでいそうだし、
色々と楽しみが絶えない。

第30番
前半の最後で熱情を弾いたフェドロヴァさんが登場。
ちょっと重いかな。なんだか最初からダメ押し的なところが見受けられる。第1,2楽章と終楽章変奏曲との切り替えが難しいのか。切り替えはいるけれど違う曲2曲という配列ではないので、そこはもう少し、あと一押し要りましたね。全楽章にわたり一つ筋が通るようなものが欲しいところです。それから、機能的な音符の流れから情緒がにじみ出てくるようなところも欲しい。抽象的で申し訳ありませんが。

第31番
今日の30番を聴いた後で鶴見さんの31番を聴くと、30と31の距離はかなりあるように思えてくる。
なにか途中から始まったような第1楽章、つまり終楽章の気配が濃厚なアトモスフィアを大いに感じさせてくれる出だし。それは自分が持っているイメージ通りのもの。テンポ設定と呼吸が最高。形を崩すことなく高低の動き、くまなくバランスがとれた演奏でした。
終楽章の序奏はフーガが始まらないと序奏だったのかとわからないほど濃厚。機能美に溢れた序奏、序奏後半の嘆きの歌はウェットで短いながら実にしびれる。
フーガの醍醐味を楽しみつつ、嘆きの歌も再度感じつつ、短いコラール風味のパッセージ出現、鶴見さんはゆっくりとメゾピアノのレベルに抑えたもの、息の詰まる緊張感、そして鮮やかな開放へ。お見事!!
ベートーヴェンの内面を照らして魅せてくれました。この終楽章、秀逸な演奏でした。感動した!!

第32番
昨晩25番を弾いた竹田さんが32番を。
第1楽章ヘビーなハ短調、あわてず急がず一つずつの音をクリアに決めていく。正確さは機能美を感じさせる。
対照的な2楽章、20分にとどこうかというスローでスタティックで圧倒的なベートーヴェンでした。持続するインスピレーション。滴るベートーヴェンモノローグが続く。終わりそうで終わらない。ポツポツと音と音の間の空白の静寂が悉く雄弁にきまり尽くす。ものすごい説得力。完全にベートーヴェンの響きを自己の中に感じての演奏と見うけました。鬼気迫る演奏。草葉のベートーヴェンも蓋が開くぐらい喜んでいるに違いない。ベートーヴェンヘヴン。
ベートーヴェンはプレイヤーを試しているのであろうか。聴こえていない作曲家は自作でもはや自演の一体化は出来ない。演奏家がどれだけ作曲家に近づくことが出来るか。竹田さん自己をさらけ出したかのような心情告白モノローグ、作曲家とこの日シンクロしたのではなかったのか。もちろん聴いている聴衆も。
このインパクトはしばらく消えるものではない。とてつもないウルトラ演奏、ありがとうございました。
興奮さめやらぬ。
おわり

 

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