加藤文太郎に憧れて数々の山歩きをしてみたが、新田次郎著、「単独行」や「孤高の人」など何回も何回も読み直し
その都度、山への気持ちを新たに、のめり込んで出かけたものです。
今日の一枚は井上靖著、「氷壁」の舞台となった奥又白池から撮影した前穂の朝焼けです。
主人公の魚津がテントを張った木は写っていませんが右下の辺にあります。
魚津と小坂の人間模様もさる事ながら、切れたザイルの事が印象に残る小説でした。
前穂、東壁、4峰正面壁・・・どのルートも美しく、何時かは・・・と思うことは有りましたが、
流石に私の技量では登攀は不可能なので、春から秋の間に、この池まで中畠新道を何回も通ったものです。
距離は大したことは無いのですが新村橋から2時間ほど登り、パノラマコースと中畠新道の分岐から奥又本谷の
尾根に取り付きます。
ここからが中畠新道の核心です。奥又白池までほとんど直登で踏み跡程度の登山道をひたすら登ります。
吹き出す汗を滴らせ、喘ぎながら登るとひょこっと奥又白の池の淵に出ます。
そこは全くの別天地、山屋さんの聖地です。ここで写真屋さんに会ったことは数回ぐらいです。
このルートのブームは去ったと言え、山屋さんのクラシックルート、一度は登らないといけない前穂です。
もちろん、私は写真だけで登りません。と言うか登れません。カメラを担いで岩は無理です。
ここにテントを張ってじっくりと撮影したことも何回かあります。
でも、岩は無理ですがA沢をだいぶ上まで詰めたことは有ります。
茶臼の頭や北尾根へのルート、何日居ても飽きる事が無い思い出の場所です。
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