碓井広義ブログ

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この春、大活躍! 俳優・杉本哲太さんのこと

2016年04月28日 | メディアでのコメント・論評



日刊ゲンダイに、この春、大活躍している俳優、杉本哲太さんに関する記事が掲載されました。

タイトルは、「50歳 杉本哲太が迎えた男盛り」です。

現在、同じクールで、日テレ『世界一難しい恋』と、テレ朝『グッドパートナー 無敵の弁護士』の2本に出演中。

この記事の中で、杉本さんについて解説しています。


高視聴率ドラマを下支え
50歳 杉本哲太が迎えた男盛り

俳優・杉本哲太(50)が円熟の“男盛り”を迎えている。

日本テレビ系「世界一難しい恋」(水曜22時)では、主演の嵐・大野智(35)扮するホテルチェーンの若社長のお抱え運転手役。竹野内豊(45)&松雪泰子(43)による元夫婦でライバル弁護士が奮闘するテレビ朝日系「グッドパートナー 無敵の弁護士」(木曜21時)では、2人の同僚弁護士を演じている。

春ドラマのラインアップがほぼ出揃う中、両作品ともに各回視聴率12%超をマーク。勢いある作品にいずれも名を連ねているのだ。

上智大の碓井広義教授(メディア論)が言う。

「NHK朝ドラ組のキャスティングが多くみられる春ドラマの中でも“あまちゃん俳優”の杉本さんはひときわ目を引きます。理由のひとつは演技のストライクゾーンが広いだけでなく、肩書や職業そのままではない裏側、あるいは“オチ”を期待させる役者だからです。『世界一』では人のいい実直な運転手役ですが、そうではない素顔や過去を期待してしまうし、『グッドパートナー』では敏腕を気取っていてもどこか抜けている独身男の役を見事に自分のものにしている。主役を引き立てながら、物語に深みを出す“隠していない隠し味”。視聴率の底上げに一役買っているといえるでしょう」


渡辺えり(61)や堤真一(51)、段田安則(59)といった舞台出身の俳優が多く在籍するシス・カンパニー所属。杉本自身は「横浜銀蠅」の弟分としてデビューし、神奈川・藤沢では知られた暴走族メンバーからリーゼントヘアのロッカーを経て、今から35年前の連ドラ「茜さんのお弁当」(81年)への出演を機に俳優の道へ。そんな杉本の演技の“地金”となっているのが「名匠・熊井啓監督との出会いです」というのはさる映画関係者だ。

「20代のときに熊井監督の『式部物語』『ひかりごけ』『深い河』といった文芸大作に出演。熊井組の現場で徹底的に鍛えられた。奥田瑛二ら先輩たちの凄みにも触れた経験は役者としての“足腰”の強さにつながっている」

近年の当たり役といえば、朝ドラ「あまちゃん」(13年)のコミカルな駅長役も。その後はすぐさま、「隠蔽捜査」(14年)で民放連ドラ初主演をゲットし、古田新太(50)らとともに上層部と現場の板挟みに悩む刑事を好演。中年俳優の底力を見せた。

「長年のキャリアを今まさに開花させている印象。演出家レベルで自分に求められる役割を察するから、使う側も起用したくなる。悪目立ちすることなく視聴者と制作陣の心に“杉本哲太印”を刻んでいく。貴重な存在ですね」(前出の碓井氏)

勢いのある中年俳優といえば遠藤憲一(54)が頭一つリードした感があるが、エンケンに続くのは“スギテツ”だ。

(日刊ゲンダイ 2016.04.27)

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