碓井広義ブログ

<上智大学教授のメディア時評> 見たり、読んだり、書いたり、話したり、時々考えてみたり・・・

福田陽一郎『渥美清の肘突き』と横江公美さん出版パーティ

2008年05月28日 | 本・新聞・雑誌・活字
福田陽一郎という名前を意識したのは70年代半ばのことだ。「渋谷パルコ」が、商業施設でありながら文化の発信基地というイメージで登場し、「公園通り」と共に渋谷の街のイメージを変えてしまったころ。

西武劇場(現パルコ劇場)で「ショーガール」というミュージカル・ショーが上演されていた。出演は木の実ナナと細川俊之だ。貧乏学生としては、気にはなったが見られるはずもなく、パルコに掲げられた巨大な看板というか宣伝幕みたいなものを見上げるばかり。その演出家が福田陽一郎さんだったのだ。

『渥美清の肘突き~人生ほど素敵なショーはない』(岩波書店)は、福田さんが書き下ろした自伝的回想録。昭和7年生まれの福田さんが、戦後の学生時代、日本テレビのディレクター時代、そしてフリーとして舞台演出や脚本などで大活躍する時代を、いかにエンタテインメントと共に生きてきたかが綴られている。

タイトルに渥美清の名が入っているが、福田さんは彼が若いころから亡くなるまでの長い時間を友人として過ごした。「肘突き」も含め、福田さんしか知らないエピソードが満載だ。

それにしても、テレビ草創期の現場の熱気というか、はちゃめちゃぶりというか、何をやっても初めてであり、毎日が実験とお祭りみたいな日々は、読んでいて羨ましくなる。登場する役者は、その後重鎮と呼ばれるような人たちだが、彼らもまだ若く、福田さんと一緒になって何かを生み出そうとしていた様子が目に浮かぶ。
この本が岩波書店から出たのも面白いが、割と小さな文字がぎっしり詰まっている。しかし、巻末の三谷幸喜さんとの対談も含め、一気に読んでしまった。

昭和38年、福田さんが日テレ時代に演出した『男嫌い』は、越路吹雪、淡路恵子、岸田今日子、横山道代という当時の人気女優4人を集めた連続ドラマだ。ゲストの男たちが、毎回、4人姉妹にやり込められるのがミソ。シチュエーション・コメディのはしり、みたいな内容だった。このドラマは、放送評論家の志賀信夫さんが今年2月に出版した大作にして労作『テレビ番組事始』の中にも登場している。

渥美清の肘突き―人生ほど素敵なショーはない
福田 陽一郎
岩波書店

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テレビ番組事始―創生期のテレビ番組25年史
志賀 信夫
日本放送出版協会

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そして、今日は珍しくパーティに出席した。千葉商科大学の大学院政策研究科博士課程で一緒に学んだ横江公美さんの出版パーティだ。松下政経塾を出てから米プリンストン大学やジョージワシントン大学で研究員をされ、帰国後はジャーナリストやコンサルタントとして活躍している。会場には、大学院での私たちの恩師である加藤寛先生もお見えになって、ユーモアあふれるスピーチを聞かせてくださった。また、「通信・放送の在り方に関する懇談会」の座長だった松原聡東洋大教授とも話すことができた。今回は同時に2冊の本が出たので、パーティも2冊分の合体となり、にぎやかだった。

一冊は学術書で、『アメリカのシンクタンク~第五の権力の実相』(ミネルヴァ書房)。もう一冊は、女性と仕事をテーマにした『キャリアウーマン・ルールズ』(KKベストセラーズ)。

アメリカのシンクタンク―第五の権力の実相
横江 公美
ミネルヴァ書房

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キャリアウーマン・ルールズ 仕事にフェロモン戦略は有効か?
横江 公美
ベストセラーズ

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