碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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週刊朝日で、「エド・はるみ」修士号についてコメント

2018年04月11日 | メディアでのコメント・論評


エド・はるみはどこへ…
慶応修士号で箔つけてインテリ枠!?

かつて「グ~」のネタで一世を風靡し、2008年の流行語大賞も受賞したお笑いタレントのエド・はるみ。そのエドが3月28日、慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の修士課程を修了し、修士号の学位が授与された。

〈この2年間、仕事との両立をはかりながら研究をすすめて参りました。(中略)お陰様で何とかやり切ることが出来ました〉

と、エドはコメントを発表。エドといえば、東京マラソンの完走、小池百合子東京都知事が立ち上げた政治塾に参加するなど、お笑い以外の分野で話題を振りまいてきた。昨年にはライザップでの減量に成功し、CMで美ボディーを披露したことも記憶に新しい。

次々と新しいことに挑戦する一方、タレントとして迷走気味にも見えたが、

〈今後は、タレントとして仕事をさせていただきながら、その一方で論文を執筆し、研究者として研究も続けて参ります〉

と、エドは芸能界と研究者の二足のわらじを履くことを表明した。エドをよく知る関係者は話す。

「超がつく真面目さが彼女の持ち味。何事も深く突き詰めて考えがちですが、そんな性格が学問にも生きたのかもしれません」

とはいえ、芸能活動と並行しての研究は可能なのだろうか。上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)は「研究を続けていくことにエールを送ります」としつつも、次のように話す。

「芸能活動においては知性派タレントとしての強いアピールになりますが、研究職は芸能活動の“片手間で”できるようなものではありません」

研究者になるためのハードルは相当高いという。

「一般的に研究者として認識されるには、博士号取得が前提。数本以上の論文が専門誌に掲載され、学会で発表しなければ博士号の申請もできません。修士号だけでは誰も研究者とは呼びませんし、まだその卵にもなれていません」(碓井教授


コメントの最後で〈普遍的で身近なテーマを(中略)時に笑いを交えて『伝えて』〉いきたいと語ったエド。お笑いと研究の両立という難関も持ち前の生真面目さで越えられるか。【本誌・秦正理】

(週刊朝日 2018年4月13日号)