西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

長英逃亡を読む

2019年03月24日 | 歴史はロマン…九州の歴史を中心に

高野長英(1804~1850 ) 
(平成31年)3月21日(木曜日)鹿児島で行きつけのBook Offで吉村 昭の「長英逃亡」(新潮文庫)を見つけたので買う・・・長い間探していたけれどなかなか出逢えなかった本。司馬遼太郎さんとこの吉村 昭さんは好みで、特に吉村 昭さんのドキュメンタリータッチと言ってもいいくらいの歴史小説には読んでいて独特の味がある。 
 
長英とは「高野長英(たかのちょうえい)」のことで天保時代の蘭学者で蘭方医(陸奥国=岩手県水沢出身)・・・当時の知識人。渡辺崋山とともに迫りくる異国の脅威に対して徳川幕府の異国船打ち払い令を批判し、海防の必要性を説いたたため投獄された(蛮社の獄)。渡辺崋山は自刃、高野長英は江戸の子伝馬町牢獄から火付け火事に乗じて脱走、逃亡した・・・見つかれば死罪を覚悟で逃亡に逃亡を重ねる。当時の町奉行 鳥居耀蔵は筋金入りの洋学・蘭学嫌いで、鳥居の執拗な捜査網をくぐり抜けながら逃亡・・・というわけなんですね。長英は蘭学の仲間、知人、弟子などの知己を利用して幕府の追及を逃れながら転々と移動を重ねます・・・残るも死逃げるも死が待ち受けていると悟って、ひとえに蘭学書(軍事)の翻訳本を出して外国からの侵略に備えたいという熱意だけを心の支えに逃亡を続ける高野長英・・・そして・・・!    当時の蘭学者、蘭方医をはじめいろいろな人物が実名でどんどん出てくるので面白い。 
 
私の世代だと昔アメリカのテレビドラマで「逃亡者」という1時間番組があって、主演のデビッド・ジャンセンという俳優さんが主役の医師リチャード・キンブルを演じて熱心に見た記憶があるからこうした逃亡物語には面白味があって・・・・。さしずめキンブルを執拗に追うジェラード警部が鳥居耀蔵というところか・・・!  
NHK大河ドラマはいつも決まったような戦国時代か幕末もので、出てくる人物もいつも似たり寄ったりなんだけど・・・たまにはこうした違った目線でのドラマがあるといいのになと思ってしまう
コメント
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