西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

デルモア・ブラザーズ(3)

2015年12月01日 | 懐かしのカントリースター
 
The Delmore Brothers (3) 
日本盤 ビクター VIM-4017 The Delmore Brothers / Alton And Rabon Delmore
(1)Silver Dollar (2)There's Trouble On My Mind Today (3)Old Mountain Dew (4)In The Blue Hills Of Virginia (5)Make Room In The Lifeboat For Me (6)Gathering Flowers From The Hillside (7)She Won't Be My Little Darling (8)Will You Be Lonesome Too? (9)Precious Jewel (10)Gospel Cannon Ball (11)I Now Have A Bugle To Play (12)Last Night I Was Your Only Darling (13)Baby Girl (14)I Wonder Where My Darling Is Tonight?
前回の続き・・・・ 
 一見矛盾しているようですが、兄のアルトンは気むずかしい性格で気性が激しく、うつの傾向があった反面、優しく紳士的な男でもありました。弟のレイボンは人の好い性格でしたがとてもシャイで片方の目が斜視だったせいか人目を気にするようなところがありました。二人ともとても信仰心の厚い人間でした。アルトンは Athens 出身の Thelma Neeley と結婚し、弟のレイボンはテネシー州 Carthage 出身の Nola King と結婚、レイボンは死ぬすこし前には離婚していました。 
 
アルトンの ”Gonna Lay Down My Old Guitar ”という曲は暗く内省的な雰囲気を持っており、厳しい巡業公演の生活から一息入れる-といったような( 息抜き的 )内容になっています。夫婦間のいざこざはしょっちゅうで、デルモア・ブラザーズのレパートリーには報われなかった愛の唄が目立っており、それを説明をしたような唄、例えば ”Broken Hearted Lover ”、”Til The Roses Bloom Again ”、”Honey I'm Ramblin Away ”、”Don't You See That Train ”といった曲にトラブルから逃れる姿勢が示されているように思います。また、” Fugitive's Lament ”という曲などはアルトン自身が法の目から逃げる西部のアウトローになったようなイメージを思わせるものになっています。 

アルトンはテナーギターのリードに乗ってデルモア・ブラザーズの多くの曲を作曲しました。このアルバムに収録されている曲の半分以上は弟レイボンが弾くきれいなテナーギターピッキングがフューチャーされています。アルトンは1000曲以上も作曲している多産のソングライターでしたし、小説をも書いていました。自分の死に際して自叙伝を書きつつあったのでした。 
 
レイボンも兄同様に有能な作曲家で百曲以上の自作曲を持っていました。The Delmore Brothers の全盛期には13のラジオ放送局にレギュラー出演をもち、37州にわたって公演を行なっていました。、兄弟のデュエットとしてはメジャーレコード会社に400曲以上のレコーディングをし、それに加えて The Arthur Smith Trio のメンバーとして Fiddlin' Arthur Smith とレコーディングもしています。 Uncle Dave Macon のレコーディングにも付き合ってバック演奏を務め、時々は Merle Travis, Grandpa Jones, Red Foley 等とゴスペルカルテット The Brown's Ferry Four としてのレコード録音を残したのも輝かしい経歴です。 
 
スターと呼ばれる人達のほとんどは全盛時代と忘れ去られていく時があるものですが、デルモア・ブラザーズに限ってはそうではありません、Alton と Rabon Delmore のことは何年にもわたってカントリーミュージックファンの記憶の中に輝き続けているのです。The Delmore Brothers は繰り返し Country Music Hall Of Fame にノミネートされてきました、そして1971(昭和46)年に彼等は Nashville Songwriter's Hall Of Fame に選出されたのでした。   -Bill Harrisonー  という人の文章でした

<ひとこと> 3回に分けて載せましたデルモア・ブラザーズの解説訳でしたが、兄弟のレコーディング歴が詳しくは載っていません。1回目のレコードに1933~1941年となっているので彼等の初期の頃に当たるんでしょうが、全盛期は2回目に乗せた写真の King レコード時代にあるんだと思います。今回のLPレコードはデルモア・ブラザーズとしては珍しいデッカレコード時代に当たるようで日本で発売になったこと自体が稀有なことだったんだと思います。 聴いての感想は後日に書く予定・・・なお、デルモアブラザーズのCDは外国ではけっこう出されているようなんですが日本盤CDは見たことがありません。私はCDを全く持っていないので何とも言えませんがこれから聴いてみたいという人にはやはりCDの方がいいんだと思います
コメント
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