西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

懐かしのカントリー&ウェスタン 104 [ メル・ティリス(1) ]

2009年04月03日 | つれづれに
Mel Tillis (1)
 米国盤 Kapp Records KS-3514 Life Turned Her That Way

(1)Life Turned Her That Way (2)If I Could Only Start Over (3)World ( What Have I Done) (4)Walking On New Grass (5)Ruby (Don't Take Your Love To Town) (6)Sweet Thang (7)I Could Never Be Ashamed Of You (8)Unmitigated Gall (9)Right Back In Your Arms Again (10)That's Where My Money Goes (11)The Old Gang's Gone (12)Alone With You


僕は一時期、といってもかなり昔になりますがメル・ティリス(1932年~現在 フロリダ州出身)のカントリーにとても興味を覚えて聴きこんだことがあります。かつてMCAゴールデン・カントリー・サウンド・シリーズと銘打った日本発売のレコード集15枚があって、その中にこの人のLP(MCA-5028)が1枚出ていました。沢山買えるわけがないので当時全く知らなかった Mel Tillis だけを買ってみたのでした。帯の ”正調カントリー・スタイルの人気歌手メル・ティリスのベスト・アルバム” という宣伝文句につられたのです。 1963(昭和38)年にボビー・ベアの歌でヒットした有名なカントリー曲「Detroit City」を作った人と知っていたのですが実際のメルの歌を聴いたのはそのLPレコードが初めてでした。その中に ”Life Turned Her That Way (恋の人生模様)” という静かな曲があってとても気に入って何度も何度も聴いたものです・・・・・・ある日中古レコード店に行った時に何とその曲をタイトルにしたレコードがあったのです、それがここに載せたLPで メル・ティリスが Kappレコード時代に出したものです。ジャケットの隅に穴を開けて廉価盤として売っていましたがこんなこともあるんだと嬉しくてまた何度も聴いたのでした。

解説に ”Life Turned Her That Way---came from the pen of Harlan Howard. We think this is one of Harlan's best efforts and Mel's superb rendition of this song is outstanding” とありました。名ソングライターのハーラン・ハワードの曲とメル・ティリスの名唱・・・・・僕はこの言葉に全く嘘偽りはないと確信できます・・・・・静かなカントリーピアノの伴奏で朗々と歌うメルのバラッド、カントリー曲にこんなにもピアノが合っている・・・・・というのにはなかなか出逢えないし、今でも Mel Tillis のベストソングだと思っています 。

作詞作曲の才能豊かなメルは当初は song writer としてのスタートの方が有名だったようで、多くのカントリー歌手がメルの曲をヒットさせています。彼の作る曲は解説によると true-to-life happening とか what really occurred とかに由来するものが多く、彼自身が歌う場合は大体においてスティールギターとフィドル(バイオリン)を多用した正調スタイルで 真にカントリーファンを満足させてくれる音作りが多い印象でした。
ただこのアルバムの12曲は非常にサウンド的にはバラエティに富んでいて、フィドルにスティールギター入りの正調カントリーは珍しくハンク・ウィリアムスの曲(7)I Could Never Be Ashamed Of You を歌っている他は(9)(12)で、(1)(11)はゆっくり目のバラッド、その他曲によってはテナーバンジョーやトランペット、ドーブローギター(ギターに共鳴板をつけてスティールギターのような音を出す楽器)が入ったりして軽快な曲もたくさんです。 特筆すべきは(2)If I Could Only Start Over という曲で バンジョーは入ってないけれどフィドル、ドーブロー、生ギター、スティールギターが大活躍する mountain song ないしは bluegrass フレイバーいっぱいの素敵な曲でボーカルのデュエットが何ともいい雰囲気を出しています・・・・・こんなのも出来るんだ と驚いた曲でした。
今は娘さんの Pam Tillis がカントリー歌手として活躍しているようですが、まだまだ父親の Mel Tillis にも頑張って歌い続けて欲しいと思っています。

メル・ティリスは2007(平成19)年に Country Music Hall Of Fame に選ばれています。
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