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設計士という職能の生存率

2012-03-25 09:54:51 | Weblog
つい最近、ある自治体の駅前広場活用に関するプロポーザル業務に関わった。
小さな自治体だったこともあり、駅前広場の整備となると、町全体の整備にまで影響を及ぼし、「将来を見据えたまちづくりの方向性」といったことに踏み込むことになる。
地方の小さな自治体では少子高齢化が激しく進行しており、限界集落にもなりかねない。
右肩上がりの時代とは全く違う観点からまちの構造を捉え直す必要がある。

おそらく全国至る所で似たような問題が発生しているものと思われる。
人口が自然減となり、高齢化が進んでくるわけだから、より効率的、集約的なまちの在り方が模索されて当然である。
建設することよりも解体・撤去する方が多くなるかもしれない。
今まで宅地だったところを山林に戻すようなことも起こってくる。
人が減っていく中で自治体を維持するためには、より効率的な自治機能が求められる。
コンパクトシティが標榜され、活動エリアが集約されていく。

少し寂しいシナリオに思えるかもしれないが悲観することはない。
まちが小さくまとまっていく過程でも、新たな生産活動や技術革新は必ず生まれてくる。
ひょっとしたら移民を受け入れて人口が増えることになるかもしれない(それはそれで別の問題を引き起こしそうだが・・・)
こういった状況に応じて現在の社会の在り方やニーズも少しずつ、そしてドラステッィクに変わっていく。
進化や進歩とはそういうものだ。

社会が変われば、当然ながら我々の職能もそれに合わせて変化していかなければ淘汰されるのみである。
建物の図面を描いて報酬を得るといったこれまでの契約形態では社会のニーズに対応できないかもしれない。
設計士の守備範囲そのものが多岐に渡っていくものと思われる。
我々は個人的にも業界的にも大きな転換期を迎えることになる。

ちなみに1000年後には日本人は30人以下になるという推計も出ている。
日本人そのものが天然記念物に指定されている状況だ。
はたしてこの30人の中に設計士は含まれているのだろうか?

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