何年も前だけど。平日の昼間、自宅にいたら。外で変な音が始まった。金属に何かが軽くぶつかり続けながら移動し、戻ってはまたぶつかり続ける。小学校帰りの子供が金属製の塀を傘か何かで叩きながら歩いている？…にしては、延々と繰り返されるのが変だ。もしかして、怪しい人が何かの物色でもしているのかもしれない。舞台が留守宅なら、近所の人間として放置しておくのは申し訳ないのではなかろうか…。すごすごと布団から出て着替えて（「こうしているうちに立ち去ってくれればいいのに」と期待しながら）、外に出てみる。カラスが、遊んでいました。低いブロック塀の上に、金属の板で囲いを載せているお宅があって、そこで遊んでいた。どんな遊びかっていうと、その囲いの上を、カニさん歩きで移動しようとしている。が、そんなに厚い板でもないので歩く面の幅が狭く、カラスといえども途中でバランスを失って落ちそうになる。その度にスタート地点に飛んで帰って、また挑戦していたの。私がいても構わず続けていて、見ているうちは成功もあきらめもしなかった（人がいるとやめちゃうかもしれないと思って早々に家に引っ込みましたが）。音はしばらく続き、やがて止んだ。聞こえた足音の回数的からすると、制覇はできなかったと思われる。
