不妊症(活血剤の応用) 弁証論治4－4 オケツと経絡

おはようございます昌栄薬品の宮原　規美雄です

 

クラシエ漢方療法推進会の資料を参考にして

 

不妊症(活血剤の応用)　弁証論治4－4

 

４．オケツのため経絡が通じなくなる

 

【病因病機】

月経期や産後に冷えや湿を受け(水毒・水滞・体内の水分が停滞する)したり、ストレス等神経症状、脾胃が影響を受け食欲不振、食べたくない、などで肝気が鬱結(12月11日参照)したりして、気血が滞ると、胞脈に血液が回らなくなり、不通則痛(痛ぜざれば則ち痛む・通じなければ則ち痛む・血液の流れが悪くなると固定的な痛みを生じます)で痛みを生じ、滞りが慢性化すると硬結(しこり)を形成し、子宮が営養を受けられません。

 

もともと気血不足の人は滞りが慢性化しやすい傾向にあり、治療にも時間がかかります。

 

胞脈＝胞絡ともいいます。子宮上に分布している脈絡で、この中に衝脈と任脈(上古天真論篇　第一　第六節－女　十四歳参照)が含まれます。

 

胞脈の主な作用としては、月経・妊娠・胎児の育生です。

 

【症状】不妊、ケツオの症状の他に・・・

 

目の周辺が黒ずむ、皮膚が乾燥、口は乾くが飲みたがらない

 

舌の色が暗く紫色、紫色のシミがある、舌の裏側に血管が2本見える

 

女性では月経痛、月経が正常の周期より１週間以上おくれる、月経血が暗紫色、月経血に結塊が混じり排出されると痛みが軽減する

 

男性では睾丸や鼠径部の痛み、陰嚢の腫れまたは静脈瘤その他陰嚢に係わる症状

 

【治療原則】

 

気の機能活動を順調にめぐらせオケツを取り除く

 

【方剤】

 

冠脉通塞丸

 

気血不足が顕著な場合は、十全大補湯加えます。

(その他・随証治療＝証・訴えに随い治療する・ずいしょうちりょうにより処方します)

 

「子を求める道は、先ず月経を調えることから」といわれるように、不妊症の治療は月経不順や月経痛を解決することが先決です。

 

単に腎を補う薬を使うだけでなく、目的に応じて活血剤を上手く使い分けることも大切です。

 

 

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