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陰陽應象大論篇 第五 第十六節 訳

2010-06-02 09:13:31 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です


黄帝内経素問 ② 
陰陽應象大論篇 第五

第十六節

 帝曰。調此二者奈何。

 岐伯曰。能知七損八則二者可調。不知用此則早衰之節也。年四十而陰氣自半也。起居衰矣。年五十體重、耳目不聰明矣。年六十陰痿、氣大衰、九竅不利。下虚上實、涕泣倶出矣。故曰、知之則強、不知則老。故同出而名異耳。知者察同、愚者察異。愚者不足、智者有餘、有餘則耳目聰明身體輕強。老者復壯、壯者治。是以聖人爲無爲之事、樂恬憺之能。從欲快志於虚無之守。故壽命無窮、與天地終。此聖人之治身也。


 黄帝が申されました。

「この陰陽の二気を調えるとは如何なることか」と。


 岐伯が申し上げました。

「女子は一七=七歳、二七=十四歳、三七=二十一歳、四七=二十八歳まで。

男子は一八=八歳、二八=十六歳、三八=二十四歳、四八=三十二歳まで共に上り坂
()で合計八段階。


女子は五七=三十五歳、六七=四十二歳、七七=四十九歳~。三十五歳から下り坂になります。


男子は五八=四十歳、六八=四十八歳、七八=五十六歳、八八=六十四歳~、

女子四十九歳男子六十四歳で天葵
(男女の腎の精気をさす、女性は妊娠可能年齢(月経)、男性は子供を作る能力)が尽きる。共に下り坂()で女子が三段階、男子が四段階で合計七段階になり、七損八益となります。


この法則を能く知れば、陰陽は調うのであります。この法則を用いることを知らずにいたならば年齢の節目に下り坂になり加速して行くようになります。

男は八八
(六十四歳)で天葵が竭るのでありますから、五八(四十)では陰は自ら半減し、起居の身のこなしも衰えが目立つようになります。

年も五十
(上古天真論篇 第一 第七節-男 四十歳 四十八歳 五十六歳 インポテンツへの)にもなると精血ともに不足を生じ、体は重く、耳は遠くなり、目はかすんでくるようになります。

年も六十歳にもなると性器は萎え小便をするだけの道具となり
(上古天真論五十六歳)各臓腑の精気は大いに衰えてしまうので、耳目鼻口二陰の九竅の働きがにぶくなります。

下半身の陽気は虚してしまい上半身の陰気が実するので鼻水や涙が流れ出てくるようになります。

故に、人間の七損八益の理屈をよく知って体を調え、正しい養生を行うならば、強さを保つことができ、養生を知らなければ老化の訪れが早くなります。

人は等しく天地の気によって生を享け陰陽の法則によって支配されています、その点は誰でも同じですが、之を受け入れて、自分のものとして取りこみ処理して行く養生法を行うか、行わないかにより、強ともなり老ともなるのであります。

道理をわきまえた人は、未病
(いまだ病まざる病)の時に、既に先のことを考え、人が見抜けない点までを、すぐれた観察力で見抜き必要且つ正確な手当てをします。

ゆうずうのきかない頭の固い者は、病気になって始めて手当てをします。

従って愚者の精血はいつも不足し、知者の精血はいつも余裕があります。

精血に余裕があれば耳はよく聴こえ、目はかすむことなくよく見え、身体は軽く、体もがっしりした状態でいられます。

老いた人も壮のように若返り、壮の人もますます調和がとれて強壮となります。

これは、聖人は常に無為の境地にあって物事を為し、何事にもあれこれと理屈をつけたり、こだわることもなく、あっさりと自然のままに従うことを楽しみ、自分自身で悟っている道
(虚無)の中に於て、心の欲するままにふるまって思うままに楽しんでいるのであります。

従って寿命も行き詰まることなく、天地の在る限り終わることはないのであります。

これが聖人が身を治する状態であります」と。鍼灸医学大系参考。東洋学術出版社黄帝内経素問。明解漢和辞典。

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